認知症リスクが高い飲酒量、低い飲酒量

提供元:ケアネット

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公開日:2017/01/30

 

 軽~中等度の飲酒は認知症を予防できるが、過度の飲酒はむしろリスクを増加させる可能性があると考えられている。しかし、これらの知見については研究方法がさまざまであることや標準的定義がないことから、解釈には慎重を要する。今回、中国海洋大学のWei Xu氏らが前向き試験のメタ解析で、アルコール摂取量と認知症リスクとの量-反応関係を検討したところ、1日当たりのアルコール摂取量が12.5g*以下であればリスク低下と関連し、6gで最もリスクが低く、38g以上ではリスクが高まる可能性を報告した。European journal of epidemiology誌オンライン版2017年1月17日号に掲載。
*アルコール12.5gの目安:ビール(5%)約310mL、日本酒(15%)約100mL、ワイン(14%)約110mL

 本研究では、電子データベースの系統的検索によって、参加者7万3,330人とすべての認知症(All-Cause Dementia、以下ACD)4,586症例を含む11研究、参加者5万2,715人とアルツハイマー型認知症1,267症例を含む5研究、参加者4万9,535人と血管性認知症542例を含む4研究を特定した。リスクの推定はランダム効果モデルを用いて統合した。

 主な結果は以下のとおり。

・アルコール摂取量とACDリスクとの間に非線形の関係を認めた(pnonlinearity<0.05)。
・認知症リスク低下に関連するアルコール摂取量は最大12.5g/日までで、約6g/日でリスクが最も低くなった(RR≒0.9)。
・アルコール摂取量が23杯/週もしくは38g/日を上回ると、ACDリスクは上昇(約10%)するようであった。
・認知症に関するアルコールの影響は60歳未満でより大きい可能性があることが、サブグループ分析で示された。

(ケアネット 金沢 浩子)