女性眼科医の数は増加しているが、彼女らの臨床活動や報酬についてはわかっていない。米国ジョンズ・ホプキンス大学のAshvini K Reddy氏らの分析の結果、2012年および2013年におけるメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)からの報酬は、女性眼科医による請求の提出が少なく、男性眼科医と女性眼科医とでまったく異なっていた。著者は、「臨床活動は類似しており機会は公平でありながら差があることについて、その根本原因をさらに調査する必要がある」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年1月19日号掲載の報告。
研究グループは、CMSからの眼科医への償還に反映される請求が性別によって違うか、また臨床活動に関連する差異があるかを調べる目的で、CMSのデータベースを用い、2012年1月1日~2013年12月31日における眼科医への支払いを後ろ向きに調査した。解析期間は2016年2月1日~5月30日で、JコードとQコードを除いた後、個々の眼科医への総支払い額および請求回数を求めた。
主要評価項目は、外来診療所などにおける男性眼科医および女性眼科医へのCMS支払い額の平均値および中央値、副次評価項目は提出された請求の数と最も一般的な請求の種類であった。
主な結果は以下のとおり。
・本研究に組み込まれた眼科医の人数は、2012年が計1万6,111人(女性3,078人[19.1%]、男性1万3,033人[80.9%])、2013年が計1万6,179人(女性3,206人[19.8%]、男性1万2,973人[80.2%])であった。
・2012年において、女性眼科医に支払われた金額は、男性眼科医での金額1ドルにつき平均値で0.58ドル(95%信頼区間[CI]:0.54~0.62ドル、p<0.001)、中央値で0.56ドル(95%CI:0.50~0.61ドル、p<0.001)であった。2013年も同様であった(p<0.001)。
・1請求当たりの平均支払い額は、男性眼科医と女性眼科医とで同じであり、2012年で66ドル、2013年で64ドルであった。
・回収額と臨床活動の成果との間には強い関連があった。すなわち、女性眼科医では男性眼科医に比べ、メディケアへの請求が少なかった(2012年の中央値:1,120、差:-935、95%CI:-1,024~-846、p<0.001/2013年は1,141、-937、-1,026~-848、p<0.001)。
・類似の臨床活動について修正して比較した場合でも、まだ女性眼科医で報酬が低かった。
・両年とも、報酬が高い眼科医の中で女性は少なかった。
(ケアネット)