ALK阻害薬による1次治療の直接比較J-ALEX試験の結果/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2017/05/24

 

 ALK陽性肺がんにおけるALK阻害薬アレクチニブとクリゾチニブの1次治療での直接比較で、日本人を対象としたJ-ALEX試験の結果がLancet誌2017年5月10日号(オンライン版)に発表された。

 J-ALEX試験は、ALK阻害薬未治療(化学療法歴は0~1回)のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした無作為化多施設オープンラベルの第III相試験。本邦41の試験参加施設で登録されたステージ3B~4の207例の患者は、アレクチニブ300mg×2/日(n=103)とクリゾチニブ250mg×2/日(n=104)に、1対1に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、独立評価機関(IRF)による無増悪生存期間(PFS)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時の両群の患者背景はほぼ同様であったが、脳転移例の割合はアレクチニブ群(14%)に比べクリゾチニ群(28%)で多かった。
・全体のPFSは、アレクチニブ群では未達(95%CI:20.3~推定不能)、クリゾチニブ群では10.2ヵ月(8.2~12.0)と、アレクチニブ群で有意に改善した(HR:0.34、99.7%CI:0.17~0.71、層別化log-rank p<0.0001)。
・探索的分析では、頭蓋内病変ありなし共に、クリゾチニブ群に比べアレクチニブ群で、進行リスクが少なかった。
・Grad3/4の有害事象発現率は、アレクチニブ群で26%、クリゾチニブ群では52%。致死的な有害事象はいずれの治療群においても生じていない。

 この第2次中間分析においてアレクチニブのALK陽性NSCLCの全身的有効性と脳転移患者における頭蓋内病勢制御力が示された。また、IRFは主要評価項を満たしたと判断し、データの即時公開を推奨した。

(ケアネット 細田 雅之)

参考

J-ALEX試験(Japic CTI)
アレクチニブ、ALK肺がん1次治療に海外でも良好な結果:ALEX試験