加齢黄斑変性へのbrolucizumab vs.アフリベルセプト

提供元:ケアネット

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公開日:2017/06/08

 

 滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対する抗VEGF薬の有効性と安全性について、brolucizumabとアフリベルセプトを比較した第II相無作為化試験が、米国・Retinal Consultants of ArizonaのPravin U. Dugel氏らにより行われた。治療サイクル8週ごと(q8)の検討において、両者の有効性および安全性は同等であることが示されたが、brolucizumab群のほうが、中心領域網膜厚(CSFT)減少が安定的で、予定外治療の頻度が少なく、網膜下液などの溶解率が高かった。また、brolucizumab投与の治療サイクル12週ごと(q12)の検討で、最高矯正視力(BCVA)を治療を受けた眼の約50%で得ることが示された。Ophthalmology誌オンライン版2017年5月24日号掲載の報告。

 試験は多施設共同で前向き二重盲検法にて行われた。被験者は活動性の、AMD続発性の新生血管を有する50歳以上の患者89例。1対1の割合で、硝子体内にbrolucizumab(6mg/50μL)またはアフリベルセプト(2mg/50μL)を注射投与する群に無作為に割り付けられた。

 両群とも月1回3ヵ月間の投与を受けた後、8週に1回投与を受け40週時点で評価を受けた。またbrolucizumab群は、最終q8サイクルで12週に1回投与の2サイクルに更新され、56週時点で評価を行った。アフリベルセプト群はq8投与が継続され、56週時点で評価を受けた。なお、両群とも予定外の治療は研究者の裁量で容認された。

 主要および副次的仮説は、brolucizumab群がアフリベルセプト群に対し、ベースラインから12週および16週それぞれの時点でBCVAスコアの変化が非劣性である(マージン:片側αレベル0.1で5 letters)、とした。試験全体を通して、BCVA、CSFT、形態的特色について評価が行われた。

主な結果は以下のとおり。

・BCVAのベースラインからの平均変化値について、12週時点の評価で、brolucizumab群のアフリベルセプト群に対する非劣性が示された。5.75 vs.6.89(80%信頼区間[CI]:-4.19~1.93)。
・16週時点においても、brolucizumab群のアフリベルセプト群に対する非劣性が示され(6.04 vs.6.62、80%CI:-3.72~2.56)、40週時点でも顕著な差は認められなかった。
・q8治療サイクル中の疾患活動性の評価アウトカムにおいて、brolucizumabを受けた患者のほうが、予定外治療を受けた頻度が少なく(6 vs.15)、CSFTの減少がより安定していたことが示された。
・さらに事後解析において、brolucizumab治療を受けた眼のほうがアフリベルセプト治療を受けた眼と比べて、網膜内および網膜下液の溶解率がより高かった。
・また、q12サイクルにおいて、brolucizumab治療を受けた眼の約50%が、安定したBCVAを有した。
・brolucizumabとアフリベルセプト関連の有害事象は類似していた。

(ケアネット)