進行肝細胞がんの1次治療薬となるか?レンバチニブの第III相試験/ASCO2017

肝細胞がんは世界第2位の死亡原因であり、毎年74万5,000人が死亡している。ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)は、進行肝細胞がん(HCC)の1次治療で唯一、生存期間延長が証明された全身療法である。最近10年間で、幾多の第III相試験がソラフェニブに対する非劣性あるいは優越性評価を行ったものの、失敗に終わっている。レンバチニブ(商品名:レンビマ)は、VEGFR1~3、FGFR1~4、PDGFRα、RET、KITを標的とした経口マルチキナーゼ阻害薬であり、進行HCCの第II相試験において優れた臨床活性を示している。進行HCCの1次治療でソラフェニブとレンバチニブを比較した、国際無作為化オープンラベル第III相非劣性試験REFLECT試験の最終結果を台湾National Taiwan University HospitalのAnn-Lii Cheng氏が報告した。
この無作為化オープンラベル非劣性試験では、全身療法未治療の切除不能HCC患者をレンバチニブ(体重60kg以上は12mg/日、60kg未満は8mg/日)群またはソラフェニブ(400mg×2/日)群に無作為に割り付けた。患者は、測定可能な標的病変を有し、バルセロナクリニック肝臓がん病期分類(BCLC)BまたはC、ECOG PSは1以下であった。主要評価項目は全生存期間(OS)による非劣性の評価で、あらかじめ定義された非劣性マージンは1.08であった。非劣性が証明されたのち、副次有効性評価項目による優越性が評価された。副次有効性評価項目は、修正RECIST(mRESIST)による無増悪生存期間(PFS)、無増悪時間(TTP)および客観的反応率(ORR)であった。
結果、954例が登録された(レンバチニブ群478例、ソラフェニブ群476例)。主要評価項目であるOSは、レンバチニブ群で13.6ヵ月(12.1~14.9)、ソラフェニブ群では12.3ヵ月(10.4~13.9)であった。HRは0.92、95%CIは0.79~1.06であり、主要評価項目の非劣性マージン1.08を達成した。
mRECISTによるPFSは、レンバチニブ群で7.4ヵ月(6.9~8.8)、ソラフェニブ群で3.7ヶ月(3.6~4.6)と、レンバチニブ群で有意に延長した(HR:0.66、95%CI:0.57~0.77、p<0.00001)。TTPはレンバチニブ群8.9ヵ月(7.4~9.2)、ソラフェニブ群3.7ヵ月(3.6~5.4)と、レンバチニブ群で有意に改善した(HR:0.63、95%CI:0.53~0.73、p<0.00001)。ORRはレンバチニブ群24.1%、ソラフェニブ群9.2%と、レンバチニブ群で有意に高かった(OR:3.13、95%CI:2.15~4.56、P <0.00001)。
治療中に発現した全Gradeの有害事象(AE)発現率は両群共に99%であった。Grade3以上の全AEはレンバチニブ群75%、ソラフェニブ群67%であった。レンバチニブ群で頻度の高いAEは、高血圧(42%)、下痢(39%)、食欲減退(34%)、体重減少(31%)、疲労(30%)であった。レンバチニブ群の9%およびソラフェニブ群の7%が治療関連AEのために投与中止された。
これらの結果から、レンバチニブは進行HCCに対する有効な治療選択肢となるであろう、とCheng氏は述べた。
■参考
ASCO2017 Abstract
REFLECT試験(Clinical Trials.gov)
(ケアネット 細田 雅之)
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