韓国・カトリック大学のHee Yeon Kim氏らは、韓国国民健康栄養調査のデータを解析し、B型肝炎抗原(HBs抗原)陽性とアトピー性皮膚炎との間に有意な逆相関があることを報告した。これまで、アトピー性皮膚炎とB型肝炎ウイルス(HBV)感染との関連は明らかになっていない。ある研究ではHBV保有者でアトピー性皮膚炎のリスク増加が報告され、他の研究ではHBV血清陽性はアレルギー疾患と逆の関連があることが示されている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2017年6月24日号掲載の報告。
研究グループは、全国規模、人口ベースの横断調査である韓国国民健康栄養調査(Korea National Health and Nutrition Examination Survey)のデータを用い、アトピー性皮膚炎とHBs抗原陽性との間の関連を評価した。
解析対象は19歳超の1万4,776例で、多重ロジスティック回帰分析により、アトピー性皮膚炎ならびに喘息とHBs抗原陽性の関連についてオッズ比を求めた。
主な結果は以下のとおり。
・HBs抗原陽性率(平均±SE)は、アトピー性皮膚炎ありで0.7±0.4%、なしで3.7±0.2%と、アトピー性皮膚炎ありで有意に低かった(p=0.001)。
・一方、喘息ありでは2.8±0.8%、喘息なしでは3.7±0.2%であり、HBs抗原陽性率と喘息との間に有意な関連は認められなかった(p=0.2844)。
・HBs抗原陽性者で、アトピー性皮膚炎のリスクが有意に低かった(オッズ比:0.223、95%信頼区間:0.069~0.72)。
(ケアネット)