日本臨床疫学会は、2017年9月30日~10月1日の2日間、第1回年次学術大会を東京大学本郷キャンパスにて開催する。
日本臨床疫学会は、「臨床研究で医療を元気にする」というキャッチフレーズのもと、2016年12月に発足した学会。クリニカル・マインドとリサーチ・マインドを持つ医療者による質の高い研究を推進し、現在の医療が直面する諸課題の解決に貢献することをミッションとしている。第1回年次学術大会のテーマは「日本の臨床疫学-天地開闢」。大会長は、東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学 教授康永 秀生氏。
同学術大会は、教育公演・研究実践ワークショップ・統計セミナーなどの教育的コンテンツが主体となる。特別講演、教育講演は、本邦を代表する臨床研究者・疫学研究者が登壇。シンポジウムでは、医療ビッグデータ、観察研究の統計手法、個人情報保護、臨床学会との連携、産学連携をテーマに取り上げる。また、事前登録制の参加型の研究実践ワークショップおよび統計セミナーも開催する。
大会長の康永 秀生氏は、自分たちが手に入るデータから臨床研究は可能、職種や診療科を問わず参加して欲しい、と述べる。
主なテーマは以下のとおり
特別講演
■臨床疫学は日本の医療を変えるか?
演者:大橋 靖雄氏(中央大学 生物統計学)
教育講演
■医療技術評価の国際動向と今後の展開
演者:池田 俊也氏(国際医療福祉大学 公衆衛生学)
■コクラン・レビュー
演者:森 臨太郎氏(国立成育医療研究センター 臨床疫学部)
■ロコモの疫学
演者:吉村 典子氏(東京大学医学部附属病院 ロコモ予防学講座)
■統合研究(pooled analysis)の実際
演者:二宮 利治氏(九州大学 衛生・公衆衛生学)
シンポジウム
■ビッグデータを用いた臨床疫学研究
座長:宮田 裕章氏(慶応義塾大学 医療政策・管理学)
■観察研究における統計手法
座長:康永 秀生氏(東京大学 臨床疫学・経済学)
■医療者と企業と官との産官学連携の新しい方向性
座長:宮田 俊男氏(国立がん研究センター 企画戦略局政策室、日本医療政策機構)
■日本臨床疫学会と各臨床専門学会の連携
座長:川上 浩司氏(京都大学 薬剤疫学)
■個人情報保護法・倫理指針の改正は臨床研究をどう変えるか?
座長:山本 隆一氏(医療情報システム開発センター)
■参考
日本臨床疫学会第1回年次学術大会ホームページ
(ケアネット 細田 雅之)