第2世代ALK-TKI既治療のNSCLCにおけるlorlatinibの成績/ESMO2017

提供元:ケアネット

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公開日:2017/09/15

 

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)では、クリゾチニブによる1次治療で耐性獲得後、セリチニブ、アレクチニブ、brigatinibといった第2世代ALK-TKIが用いられる。この間、患者は臨床的恩恵を受けることができるが、ほとんどの場合、耐性を発症してしまう。lorlatinibは、脳への移行性を示す、次世代ALK-TKIであり、第1世代、第2世代TKIの耐性変異に対して活性がある。スペイン・マドリードにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)では、第2世代TKIの治療歴を有するALK陽性NSCLCおけるlorlatinibの抗腫瘍活性および安全性について、スペイン Vall d’Hebron Institute of OncologyのE. Felip Fon氏らが発表した。

 この第II相試験は、6つの拡大コホート(EXP1~6)で行われ、ALK陽性NSCLCはEXP1~5で評価された(EXP6はROS1陽性)。今回の発表は、EXP3B(クリゾチニブ以外のALK-TKI治療歴が1ライン)、EXP4(ALK-TKI治療歴が2ライン)、EXP4(ALK-TKI治療歴が3ライン)の3コホートの解析である。主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)による客観的奏効率(ORR)と頭蓋内ORR(IC ORR)であった。

 データカットオフ時点で、138例が第2世代TKI(アレクチニブ、セリニチブ、brigatinibまたはその他)による治療を1回以上受けていた。これらのうち95例はベースライン時に中枢神経転移を有していた。

 第2世代TKI治療を1回以上受けた患者のORRは37.7%、IC ORRは47.4%であった。第2世代薬剤別にみたORR、IC ORRは、アレクチニブ既治療患者ではそれぞれ、35.1%と44.4%、セリチニブ既治療患者では34.2%と45.0%、brigatinib既治療患者では46.2%と46.4%であった。

 EXP3、EXP4およびEXP5コホートにおける一般的な治療関連有害事象(TRAE)は、高コレステロール血症(EXP3、EXP4、EXP5でそれぞれ83.3%、78.5%、80.4%)および高トリグリセライド血症(同48.3%、69.2%、65.2%)。その多くはGrade1~2で、標準的な治療で管理可能であった。治療関連死は認められていない。

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(ケアネット 細田 雅之)