ABO式血液型は遺伝的な特性である。今回、ABO式血液型と、がん全体および各がんにおける発症リスクの関連について、米国・ピッツバーグ大学のJoyce Yongxu Huang氏らが上海コホート研究で調査し、PLOS ONE誌2017年9月7日号に報告した。
本研究は、1986年に登録された中国人男性1万8,244人の前向きコホート研究である。25年のフォローアップ期間中に3,973人ががんを発症した(肺がん964人、大腸がん624人、胃がん560人、肝臓がん353人、膀胱がん172人など)。Cox比例ハザードモデルを使用して、ABO式血液型によるがん全体および各がんのハザード比(HR)を計算した。
主な結果は以下のとおり。
・B型はA型と比べてがん全体のリスクが有意に低かった(HR:0.91、95%CI:0.84~0.99)。
・B型とAB型はそれぞれ、消化器がんと大腸がんのリスクが有意に低かった。
・B型はまた、胃がんリスクと膀胱がんリスクも有意に低かった。
・AB型は、肝臓がんリスクが有意に高かった。
・組織型別にみると、B型とAB型は、扁平上皮がんと腺がんのリスクが低かったが、肉腫、リンパ腫、白血病またはその他の細胞型のがんリスクとは関連していなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)