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ALK陽性肺がん2次治療におけるアレクチニブと化学療法との第III相比較試験(ALUR)/ESMO2017

ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)治療の現在の標準はクリゾチニブである。しかし、多くの患者は、1年以内にPDを経験し、それはとくに中枢神経系(CNS)でよくみられる。第III相ALUR試験は、プラチナベース化学療法およびクリゾチニブ既治療のALK陽性NSCLCにおいて、アレクチニブと標準化学療法の有効性および安全性を比較試験であり、その初期結果がスペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)で、イタリアUniversity of TurinのS. Novello氏より発表された。
ALUR試験では、18歳以上の既治療のALK陽性NSCLC患者が、アレクチニブ群または化学療法群に2:1に割り付けられ、PD、死亡または退院するまで治療された。化学療法群では、PD後のアレクチニブへのクロスオーバーが許容された。主要評価項目は、治験担当医評価の無増悪生存(PFS)であった。副次評価項目は、IRC評価のPFS、全奏効率(ORR)、CNSのORR(CNS ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DOR)および安全性であった。
結果、107例が登録され、アレクチニブ群72例、化学療法群35例に無作為に割り付けられた。試験薬の治療を受けた患者は104例(アレクチニブ群70例、化学療法群34例)であった。データカットオフ時(2017年1月17日)の追跡期間中央値は、アレクチニブ群6.5ヵ月、化学療法群5.8ヵ月であった。治療期間中央値はアレクチニブ群20.1週、化学療法群6.0週であった。
治験担当医評価のPFSは、アレクチニブ群9.6ヵ月(95%CI:6.9~12.2)、化学療法群1.4ヵ月(95%CI 1.3~1.6)であった(HR:0.15、95%CI:0.08~0.29、p<0.001)。IRC評価のORRはアレクチニブ群で36.1%、化学療法群では11.4%であった。CNS ORRは、アレクチニブ群54.2%、化学療法群では0%であった。DCRはアレクチニブ群80.6%、化学療法群28.6%。DORはアレクチニブ群9.3ヵ月、化学療法群2.7ヵ月であった。
全Gradeの有害事象(AE)はアレクチニブ群の77.1%、化学療法群の85.3%に発現し、Grade3以上のAEはアレクチニブ群27.1%、化学療法群41.2%にみられた。AEによる治療中断や減量はアレクチニブ群では10%、化学療法群では20.6%であった。
アレクチニブは、既治療のALK陽性NSCLCにおいて化学療法と比べ、全身およびCNSの有効性を有意に改善し、また良好な安全性を示す結果となった。
■参考
ALUR試験(Cliical Trials.gov)
(ケアネット 細田 雅之)
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