加齢黄斑変性へのラニビズマブ、T&E療法の効果は?

提供元:ケアネット

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公開日:2017/09/27

 

 血管新生を伴う加齢黄斑変性(滲出型加齢黄斑変性:AMD)の治療において、ラニビズマブ(商品名:ルセンティス)0.5mgのTreat-and-Extend(T&E)療法は毎月1回投与する治療法に対し、視力改善効果が統計学的に非劣性であり、臨床的に同等であることが示された。ポルトガル・コインブラ大学のRufino Silva氏らがTReat and extEND(TREND)試験で明らかにした。安全性においても、T&E療法で新たに問題となる有害事象はみられなかった。Ophthalmology誌オンライン版2017年9月8日号掲載の報告。

 TREND試験は、12ヵ月間の多施設共同無作為化視力評価者盲検第IIIb相臨床試験である。50歳以上の未治療AMD患者650例が、ラニビズマブ0.5mgのT&E療法群(323例)または4週ごとに月1回投与する毎月投与群(327例)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。

 T&E療法群は、まず初月に2回投与(ベースラインと4週時)を受け、疾患活動性が消失していれば2週ずつ受診投与間隔を延長し、最大12週に1回まで受診投与間隔を延長した。再び疾患活動性を認めた場合は、2週間ずつ疾患活動性が消失するまで受診投与間隔を短縮(最小投与間隔は4週に1回)。消失が認められたら、再度2週間ずつ受診投与間隔を延長した。しかし3度目に疾患活動性を認めた場合は、受診投与間隔を2週間短縮し、試験終了までその受診投与間隔を続けた。なお、疾患活動性とともに視覚障害が認められた場合は、試験担当医の判断で4週間に1回の投与に受診投与間隔の短縮が可能であった。

 試験の主要目的は、試験終了時におけるベースラインからの最良矯正視力(BCVA)の変化で、T&E療法の毎月投与に対する非劣性を検証した。副次目的は、中心領域網膜厚(CSFT)のベースラインから試験終了時までの変化、投与回数および安全性であった。

 主な結果は以下のとおり。

・両群で患者背景は類似していた。
・試験終了時におけるベースラインからのBCVA変化量(最小二乗平均)は、T&E療法群6.2文字、毎月投与群8.1文字で、T&E療法の毎月投与に対する非劣性が確認された。
・BCVAの改善は、両群とも最初の6ヵ月間に認められ、試験終了まで持続した。
・試験終了時におけるベースラインからのCSFT変化量(平均)は、T&E療法群-169.2μm、毎月投与群-173.3μmであった。
・試験開始後の平均受診回数はT&E療法群8.9回、毎月投与群11.2回で、それに伴い注射回数もそれぞれ8.7回および11.1回とT&E療法群で減少した。
・有害事象の種類と発現率は、両群で同等であった。

(ケアネット)