Stage III肺がんのdurvalumab維持療法、QOLを維持:PACIFIC/WCLC2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/23 切除不能なStage III局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)における同時化学放射線療法(CCRT)後のdurvalumab維持療法を評価するPACIFIC試験。すでにPFSの改善と高い忍容性が報告されているが、今回は副次評価項目である患者報告結果(PRO)についてオーストラリア・University of Sydney/Westmead HospitalのRina Hui氏が、横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)で発表した。 PACIFIC試験では、2回以上のプラチナベースのCCRTを受けて進行していない上記患者をdurvalumabとプラセボに割り付け12ヵ月治療した。その間に患者の主要症状、身体機能、健康関連QOL(EORTC QLQ-C30 v3、QLQ-LC13)の変化をベースライン時と比較している。アンケート完了率はdurvalumab群、プラセボ群共に80%以上であった。 結果、durvalumab群とプラセボ群で、主要症状、身体機能、健康関連QOLの変化に差はみられなかった。Rina Hui氏は、「現時点では局所進行NSCLC患者の5年生存率はわずか15%であるため、この研究は重要である。durvalumabの維持療法は症状、GHQOLを低下させることはなく、主要症状のベースラインからの変化は最低限であった」と述べ、また「今回の研究結果は、効果と安全性が確認されたPACIFIC試験において、durvalumabのCCRT後の維持療法を一層支持するものだ」と結論付けた。discussantであるオーストラリア・Sydney Cancer CenterのMichael Boyer氏はPROについて、「QOLへの悪影響が生命予後の改善を上回っていないことを確認するためにも、PACIFICのような臨床試験には必要なものだ」と述べている。 ■参考 WCLC2017プレスリリース PACIFIC試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 WCLC2017プレスカンファレンスでのRina Hui氏の発表 durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017 (ケアネット 細田 雅之) 原著論文はこちら Antonia SJ, et al. N Engl J Med. 2017 Sep 8.[Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07) 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07) 肺がん特集まとめインデックス(2017/06/20) 肺がん特集(2017/06/20)