高血糖を指摘されても4割以上が再検査せず

提供元:ケアネット

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公開日:2017/10/27

 

 MSD株式会社は、2型糖尿病の疑いのある人や高血糖を指摘された人、治療を中断している人など、糖尿病の発症・進行リスクがあると考えられる40歳以上の男女4,700人(各都道府県100名ずつ:男性70人、女性30人)に、糖尿病に関する意識や行動に関するインターネット調査を2017年6月に実施した。調査結果から、糖尿病の発症や進行のリスクを持つ人の43.2%が、リスクを指摘されながらも再検査を受診していないことがわかった。また、44.1%が自身の糖尿病の発症や進行のリスクについて「低い」と答えた。薬物療法については、57.5%が抵抗感を感じているが、服用頻度によって心理的負担が軽減される傾向があった。

発症や進行のリスクがあっても、健康診断や検査受診に消極的
 医療機関や健康診断で高血糖と指摘された人の43.2%が糖尿病の再検査を受診しておらず、40代では半数以上(50.7%)が未受診であった。未受診の理由は、「放っておいても、再検査の受診についてとくに何も言われないから」(44.0%)が最も多い。続いて、「とくに気になる症状がないから」(22.7%)であった。

 健康診断を毎年受診していない人も21.9%存在している。会社員では、毎年受診していない人は10.1%と少ないが、自営業では36.8%、働いていない人では30.9%と、会社員に比べ3倍以上となった。また、毎年受診していない理由は「面倒だから」(35.3%)が最も多かった。

自身の発症や進行のリスクを過小評価
 糖尿病の発症や進行のリスクがあるにもかかわらず、44.1%がその「リスクは低い」と回答した。リスクが低い理由として「症状を感じていないから」(44.7%)、「太っていないから」(20.0%)との回答もあった。糖尿病は初期には自覚症状がほとんどなく、やせ型でもなり得るという、糖尿病の特徴に関する認識不足が浮き彫りになった。

 一方、糖尿病の主な症状(「のどが渇くことが多い」「多尿・頻尿である」「疲れやすい、だるい」)のうち、1つでも実感している人は75.6%に及んだ。働いている場合、自分の健康よりも仕事を優先する人が65.5%に上った。

半数以上が薬物療法に抵抗感、心理的負担の少ない治療法には期待
 糖尿病未治療者の糖尿病治療に対するイメージには「厳しい食事制限」(64.7%)や「毎日服薬が必要」(59.1%)のほか、「毎日インスリン注射を打つ」(56.5%)という思い込みや先入観が存在することがわかった。糖尿病治療への抵抗感は薬物療法が57.5%と最も多く、食事療法は40.8%、運動療法は27.7%であった。治療薬が週1回服用タイプの場合、63.2%が「心理的負担が減る」と回答した。

患者さんのニーズにあった治療薬が選択可能
 本調査結果から、東京医科大学病院 主任教授の小田原 雅人氏は、「自身の健康に対する過剰な自信がみられたり、糖尿病に関する知識・関心が低かったりと、糖尿病の発症や進行のリスクがある人たちが適切な対処を十分に行っていない実態が示された」と指摘した。

 また、63.2%の人が「飲み薬の頻度が週1回なら、治療の心理的負担が減る」と回答していたことを取り上げ、「週1回治療の選択肢が増えたことで、患者さんのさまざまなライフスタイルやニーズにあった治療薬が選択できるようになっている」とコメントしている。

■参考
MSD株式会社ニュースリリース

(ケアネット 金沢 浩子)