dacomitinibによるEGFR変異肺がん1次治療のサブグループ解析:ARCHER 1050/WCLC2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/10 ARCHER1050試験は、EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において第2世代EGFR-TKIのdacomitinibと第1世代TKIゲフィチニブを比較した第III相試験である。対象はStage IIIB~IVのEGFR変異陽性再発NSCLC患者452例で、主要評価項目はIRCレビューによる無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目はIRCおよび治験担当医の評価による全生存期間および客観的奏効率(ORR)である。 既報では、IRC評価のPFSは、dacomitinib群14.7ヵ月に対し、ゲフィチニブ群9.2ヵ月と、dacomitinib群で有意に延長している(p<0.0001)。横浜で開催された第18回世界肺癌学会(WCLC)では、EGFR変異サブタイプによって層別化した前向きサブグループ解析の結果を、中国・Guangdong Lung Cancer InstituteのYi-Long Wu氏が発表した。 結果、exon19delにおけるPFSはdacomitinib群16.5ヵ月(11.3~18.4)、ゲフィチニブ群9.2ヵ月(9.1~11.0)と、dacomitinib群で有意に長かった(HR:0.55、95%CI:0.41~0.75、p<0.0001)。ORRはdacomitinib群76.1%(68.0~83.1)、ゲフィチニブ群69.9%(61.4~77.6)であった(p=0.1271)。奏効期間(DOR)はdacomitinib群15.6ヵ月(13.1~19.6)、ゲフィチニブ群8.3ヵ月(7.9~10.1)と、dacomitinib群で有意に長かった(HR:0.454、95%CI:0.319~0.645)、p<0.0001)。 L858R変異におけるPFSはdacomitinib群12.3ヵ月(9.2~16.0)、ゲフィチニブ群9.8ヵ月(7.6~11.1)、とdacomitinib群で有意に長かった(HR:0.63、95%CI:0.44~0.88、p=0.0034)。ORRはdacomitinib群73.1%(62.9~81.8)、ゲフィチニブ群73.9%(63.7~82.5)であった(p=0.5487)。DORはdacomitinib群13.7ヵ月(9.2~17.4)、ゲフィチニブ群7.5ヵ月(6.5~10.2)と、dacomitinib群で有意に長かった(HR:0.403、95%CI:0.267~0.607、p<0.0001)。 ■参考 ARCHER1050試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 dacomitinib、EGFR変異陽性肺がん1次治療の成績発表:ARCHER1050試験/ASCO2017 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07) 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07) 肺がん特集まとめインデックス(2017/06/20) 肺がん特集(2017/06/20)