貧血と認知症の関係:韓国国民健康スクリーニング研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/01/12 貧血が高齢者における認知症発症と関連しているか、韓国・ソウル大学のSu-Min Jeong氏らが調査を行った。Alzheimer's research & therapy誌2017年12月6日号の報告。 認知症および脳卒中でない66歳の高齢者3万7,900例を、NHIS-HEALS(韓国国民健康保険サービス-国民健康スクリーニングコホート)のデータベースを用いて抽出した。貧血(ヘモグロビン濃度:女性12g/dL未満、男性13g/dL未満)および貧血の重症度(軽度、中等度、重度)は、WHO(世界保健機構)の基準で定義した。認知症の発症は、ICD-10(国際疾病分類 第10版)の認知症診断コード(F00、F01、F02、F03、G30)で確認され、抗認知症薬を処方された患者とした。貧血による認知症発症のハザード比(HR)は、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・性別、ベースラインの認知機能状態、BMI、喫煙、世帯収入、障害、うつ病、高血圧、糖尿病、脂質異常症で調整した後、貧血と認知症との間に有意な関連が認められた(調整HR:1.24、95%CI:1.02~1.51)。 ・貧血の重症度に応じた認知症発症率の調整HRは、軽度の場合1.19(95%CI:0.98~1.45)、中等度の場合1.47(95%CI:0.97~2.21)、重度の場合5.72(95%CI:1.84~17.81)であり、有意なp for trendが認められた(p=0.003)。 著者らは「貧血は、認知症発症の独立したリスク因子であり、重度においては顕著なリスク増加を伴うと考えられる」としている。 ■関連記事 婚姻と認知症リスクに関するシステマティックレビュー アルツハイマー病に対する新規ベンゾジアゼピン使用に関連する死亡リスクのコホート研究 認知症発症への血圧の影響、ポイントは血圧変動:九州大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Jeong SM, et al. Alzheimers Res Ther. 2017;9:94. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 医師が選んだ"2017年の10大ニュース"! 【CareNet.com会員アンケート結果発表】(2017/12/04) Dr.徳田のすぐできるフィジカル超実技(2017/11/07) Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07)