高齢者のスタチン非順守に関連する因子~メタ分析

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/31

 

 高齢者のスタチン服用における非順守や中断には、非白人、喫煙、低収入、高い患者負担金、1次予防などが関連することを、オーストラリア・Monash大学のRichard Ofori-Asensoらが報告した。著者らは「金銭的・社会的バリア、疾患リスクに関する患者の認識、ポリファーマシーなど、潜在的に修正可能な因子を対象とした介入によって、高齢者のスタチン服用を改善する可能性がある」としている。The Journals of Gerontology誌Series Aオンライン版2018年1月19日号に掲載。

 本研究では、2016年12月12日までに公表された、高齢者(65歳以上)のスタチンの非順守や中断に関連する因子を報告した英語論文について系統的レビューを行った。データはランダム効果メタ分析を用いて統合した。

 主な結果は以下のとおり。

・45論文、13ヵ国180万人以上の高齢スタチン服用者のデータを分析した。

・スタチン服用非順守の増加に関連する因子のオッズ比(95%信頼区間)
  黒人もしくは非白人:1.66(1.39~1.98)
  女性:1.08(1.03~1.13)
  現在喫煙:1.12(1.03~1.21)
  高い患者負担金:1.38(1.25~1.52)
  新規の服用者:1.58(1.21~2.07)
  併用する心血管用薬が少ない:1.08(1.06~1.09)
  1次予防:1.49(1.40~1.59)
  呼吸器疾患の存在:1.17(1.12~1.23)
  うつ病の存在:1.11(1.06~1.16)
  腎疾患なし:1.09(1.04~1.14)

・スタチン服用中断の増加に関連する因子のオッズ比(95%信頼区間)
  低収入:1.20(1.06~1.36)
  現在喫煙:1.14(1.06~1.23)
  高い患者負担金:1.61(1.53~1.70)
  薬剤数が多い:1.04(1.01~1.06)
  認知症の存在:1.18(1.02~1.36)
  がんの存在:1.22(1.11~1.33)
  呼吸器疾患の存在:1.19(1.05~1.34)
  1次予防:1.66(1.24~2.22)
  高血圧なし:1.13(1.07~1.20)
  糖尿病なし:1.09(1.04~1.15)

(ケアネット 金沢 浩子)