男性のAGA、高血圧と有意に関連

提供元:ケアネット

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公開日:2018/02/06

 

 男性型脱毛症(AGA)については、これまでの研究で、メタボリック症候群に関連するさまざまな因子との関係が示されているが、一貫した結果は得られていない。韓国・延世大学校原州医科大学のBo-Kyung Kim氏らが、韓国の地域住民を対象とした断面調査を行った結果、AGAに関連のある因子には性差があり、男性では高血圧とAGAとの有意な関係が認められたことを報告した。著者は、「AGA発症のメカニズムに性差がある可能性があり、AGAの男性患者では血圧を評価し、高血圧の場合は介入したほうがよい」とまとめている。International Journal of Dermatology誌2018年2月号掲載の報告。

 研究グループは、メタボリック症候群に関連するさまざまなリスク因子とAGAとの関連を、男性および女性において調査する目的で断面調査を行った。解析対象は韓国人2,028例(男性1,050例、女性978例)で、AGAの診断には基本的および特異的(BASP)分類を用い、質問票および診療記録よりリスク因子に関する情報を収集し解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・AGAは、男性および女性の両方において、年齢、AGAの家族歴、高血圧、糖尿病および胴囲と有意に関連していた。
・AGAを有する女性は、脳血管障害、脂質異常および肥満が多い傾向にあったが、男性ではこのような関連は観察されなかった。
・重回帰分析の結果、男性では高血圧とAGAとの間に有意な関連が認められ、女性では統計的に有意な関連はなかった。

(ケアネット)