身体活動がPTSDに及ぼす影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/02/06 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の有病率は高まっており、治療を受けていない場合、個人、家族および最終的には社会全体へ重大な影響を及ぼす可能性がある。これまでのPTSD治療には、心理療法と薬物療法があるが、患者は、それ以外の治療を受ける機会を制限されている。心理療法と薬物療法を組み合わせたこれまでの治療方法を強化するため、費用対効果の高い補助療法に関する研究が求められている。 不安やうつ病の軽減に身体活動が有効であることは知られているが、PTSDに対する身体活動の影響については、ほとんど知られていない。米国・テネシー大学のLauren M. Oppizzi氏らは、PTSDに対する身体活動の効果に関する科学的な状況について調査を行った。Issues in mental health nursing誌オンライン版2018年1月10日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・身体活動の特性、PTSDの介入に身体活動を併用した際の利点、運動方法に関する理論の3つのテーマが見つかった。 ・身体活動は、PTSD症状の重症度を軽減するための効果的な補助療法であると考えられる。 ・観察研究と対照研究の所見は一致しなかった。 ・最も効果的な運動のタイプ、量、期間を特定するためには、より多くの研究が必要である。 著者らは「身体活動は、これまでの治療では症状が改善しきれないPTSD患者の症状軽減に有用である。また、身体活動は、PTSDに付随する健康状態(不安、うつ病、睡眠障害、心血管疾患など)を改善することが示唆されている」としている。また、「臨床医は、PTSD患者の治療のために、自身のケアプランに特定の運動介入(歩行プログラム、有酸素運動、ヨガなど)を含めるべきである。PTSD患者への介入は、医師との間の関係にとどまらず、もっと広がっていくべきであり、継続的な運動を促す方法を考えていくべきである。今後の研究では、PTSD患者に最も効果的な運動のタイプ、量および改善が維持されるために必要な期間について焦点を当てるべきである」としている。 ■関連記事 東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大 テロ襲撃後のPTSDやうつ病、2年前のバルド国立博物館襲撃事件より うつ病患者への運動介入、脱落させないコツは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Oppizzi LM, et al. Issues Ment Health Nurs. 2018 Jan 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、最終OS結果(KEYNOTE-522)/NEJM(2024/09/27) 複雑病変へのPCI、OCTガイドvs.血管造影ガイド/Lancet(2024/09/27) 重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性(解説:小金丸博氏)(2024/09/27) 転移を有するホルモン感受性前立腺がん、ダロルタミド+ADTがrPFS改善(ARANOTE)/ESMO2024(2024/09/27) 日本人治療抵抗性うつ病に対するケタミン治療の有用性~二重盲検ランダム化比較試験(2024/09/27) サシツズマブ ゴビテカン、トリプルネガティブ乳がんに承認/ギリアド(2024/09/27) アミバンタマブ、化学療法との併用でEGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに承認/ヤンセン(2024/09/27) 患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート(2024/09/27) 肛門扁平上皮がん1次治療、新規抗PD-1抗体上乗せが有用(POD1UM-30)/ESMO2024(2024/09/27) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)