双極性障害に対するベンゾジアゼピンの使用開始と長期使用 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/03/22 長期的なベンゾジアゼピン治療による有害な影響を示すエビデンスが増加している。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のLouise Wingard氏らは、双極性障害におけるベンゾジアゼピンおよびZ薬の長期使用の割合と、その予測因子について調査を行った。Bipolar disorders誌オンライン版2018年2月16日号の報告。 スウェーデン全国患者登録のデータを用いて、集団ベースコホート研究を実施した。2006年7月~2012年12月に双極性障害または躁病と診断された、18~75歳のスウェーデン住民のうち、ベンゾジアゼピンおよびZ薬の使用歴のない患者を対象とした。ベンゾジアゼピンおよびZ薬の処方に関して、対象患者を1年間フォローアップ調査した。6ヵ月超の連続使用を「長期」と定義し、使用開始した患者について、さらに1年間フォローアップを行った。長期使用の潜在的な予測因子として、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、患者および処方の特性に関する調査を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者2万1,883例のうち、ベンゾジアゼピンおよびZ薬治療を開始した患者は29%であった。そのうち、5例に1例が長期使用患者となっていた。 ・クロナゼパム(調整オッズ比:3.78、95%CI:2.24~6.38)、アルプラゾラム(調整オッズ比:2.03、95%CI:1.30~3.18)を処方された患者は、ジアゼパムを処方された患者と比較し、長期使用の可能性が高かった。 ・長期使用の予測因子は、ベンゾジアゼピンおよびZ薬の多剤併用療法(調整オッズ比:2.46、95%CI:1.79~3.38)、60歳以上(調整オッズ比:1.93、95%CI:1.46~2.53[30歳未満との比較])、神経刺激薬の併用療法(調整オッズ比:1.78、95%CI:1.33~2.39)であった。 著者らは「双極性障害に対するベンゾジアゼピンの使用開始は、その後の長期使用の可能性が高かった。クロナゼパム、アルプラゾラムでの治療、またはベンゾジアゼピンおよびZ薬の多剤併用療法を行っている患者では長期使用患者となる可能性が高く、これらの治療は制限的な使用で行われるべきである」としている。 ■関連記事 双極性障害、ベンゾジアゼピン系薬の使用実態は ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は ベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wingard L, et al. Bipolar Disord. 2018 Feb 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性が示唆された 医療一般 (2018/11/20) ベンゾジアゼピンの使用および中止に伴う離脱症状とその期間は 医療一般 (2023/03/20) 双極性障害と診断されるまで平均4年かかることが明らかに 医療一般 日本発エビデンス (2017/01/10) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心不全関連の肺高血圧症、肺動脈除神経術は有効か/NEJM(2026/10/05) 東京遺伝性腫瘍研究会開催のお知らせ(2026/10/05) せん妄予防に睡眠を調節する薬物療法は有効か(2026/10/05) EGFR exon20挿入変異NSCLC、zipalertinib+化学療法による1次治療がPFS改善(REZILIENT3)/WCLC2026(2026/10/05) 1日5,000歩未満でも、早く歩けば死亡リスク低下(2026/10/05) MASLD合併2型糖尿病、GLP-1RA+SGLT2阻害薬併用は有益か(2026/10/05) 加重ブランケットは入院患者の不安軽減に役立つ?(2026/10/05) 手術開始時刻で手術時間に差、午前は午後より長く(2026/10/05) [ あわせて読みたい ] ミュンヘンの熱気とアスピリンの行方~PREMIUM試験が語る学会と雑誌の歴史学~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第100回(2026/09/10) 外の海へ漕ぎ出せ!~血栓と出血の狭間で揺れる循環器内科医に届いた「1ヵ月」の福音~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第99回(2026/08/21) 第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2026/04/28) 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24)