日本人は身長が高いと脳血管死亡リスク低い~JPHC研究

提供元:ケアネット

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公開日:2018/05/23

 

 成人の身長と死亡リスクの関連が以前の研究で示唆されているが、日本人における身長と全死因死亡率・疾患別死亡率との包括的な関連は不明である。今回、わが国の前向きコホート研究(JPHC研究)で評価したところ、成人での身長が高いと、男女共に脳血管疾患死亡リスクが低く、逆に男性のがん死亡リスクが高いことが示唆された。PLOS ONE誌2018年5月14日号に掲載。

 対象は、JPHC研究のベースライン時のアンケートに回答した、40~69歳の参加者10万7,794人(男性5万755人、女性5万7,039人)。自己申告アンケートによる成人での身長により、男性では、160cm未満、160~163cm、164~167cm、168cm以上、また女性では、149cm未満、149~151cm、152~155cm、156cm以上の四分位で分けて検討した。Cox比例ハザードモデルを用いて、全死因、がん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、その他の原因による死亡のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中、男性1万2,320人、女性7,030人が死亡した。

・男性では、成人での身長が高いと脳血管疾患死亡リスク(160cm未満のHRを1としたときの168cm以上のHR:0.83、95%CI:0.69~0.99、5cm増におけるHR:0.95、95%CI:0.90~0.99)および呼吸器疾患死亡リスク(160cm未満のHRを1としたときの168cm以上のHR:0.84、95%CI:0.69~1.03、5cm増におけるHR:0.92、95%CI:0.87~0.97)が低かった。一方、全がん死亡率(160cm未満のHRを1としたときの168cm以上のHR:1.17、95%CI:1.07~1.28、5cm増におけるHR:1.04、95%CI:1.01~1.07)は高かった。

・女性においても、成人での身長が高いと脳血管疾患死亡リスクが低かった(149cm未満のHRを1としたときの156cm以上のHR:0.84、95%CI:0.66~1.05、5cm増におけるHR:0.92、95%CI:0.86~0.99)。

(ケアネット 金沢 浩子)