脳血管内治療は、昨今の需要の高まりで脳神経外科医が身につけるべき必須のスキルになりつつあります。
本番組では、この分野の第一人者である吉村紳一先生、兵庫医科大学の講師陣が、器材のセットアップから術式ごとの手技のポイント、周術期管理までをレクチャー。
現在の脳血管内治療の標準となる知識と技術を網羅しています。
脳血管内治療が適応となる代表的な4つの疾患、脳動脈瘤・頸動脈狭窄症・頭蓋内動脈狭窄症・急性期脳梗塞で、吉村先生が手術室から実際に手術を行いながら解説しているのも特徴です。
この番組は、メジカルビュー社から刊行されている『脳血管内治療 スタート&スタンダード』と連動しています。
実際の手術映像で同書の内容をよりリアルに学ぶことができます。
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【脳血管内治療 スタート&スタンダード】
第1回 病気と治療法について
第1回は、病気と治療法についてです。
脳血管内治療の適応となる代表的な4つの疾患、脳動脈瘤・頸動脈狭窄症・頭蓋内動脈狭窄症・急性期脳梗塞から、それぞれに適応する治療法とその術式について詳しく解説していきます。
第2回 脳血管内治療のセットアップ
脳血管内治療においては、機器のセットアップが非常に重要です。
とくに緊急治療においては必要な物品がすぐに取り出せるよう、セットを作っておくことが大切です。
第2回では、脳血管内治療で用いる機器の基本的なセットアップについて紹介します。
第3回 治療に必要な血管解剖
脳血管内治療を行う上で、血管解剖を理解することは極めて重要です。
鼠径部の穿刺から始まり、大動脈、頚部血管、頭蓋内動脈の構造を正確に理解すること、また、そのバリエーションを知っておくことは、治療を成功させるために不可欠です。
脳動脈の詳細な解剖について紹介します。
第4回 穿刺とガイディングカテーテル
脳血管内治療を開始する最初のステップが、動脈の穿刺とシースの留置、そしてガイディングカテーテルの誘導です。
治療方法、また治療対象によって穿刺の部位やシースの太さ、ガイディングカテーテルの種類などが異なりますが、この回では代表的な治療における機器と操作法について紹介します。
第5回 急性期脳梗塞
急性期脳梗塞に対する治療についてクリニカルエビデンスの解説、そして実際の手術の様子まで詳しく紹介します。
兵庫医科大学脳神経外科で行われている、患者搬入から穿刺までの様子と、動脈硬化性脳梗塞、末梢血管閉塞の治療について、実際の動画を用いながら解説します。
第6回 脳動脈瘤(コイル塞栓術)
脳動脈瘤に対するコイル塞栓術は、破裂・未破裂どちらの動脈瘤に対しても行われ、近年ではステントを併用して行う機会も増えています。
脳動脈瘤コイル塞栓術のエビデンスの解説と、兵庫医科大学で実際に行われた手術の様子をご覧ください。
第7回 脳動脈瘤(フローダイバーター)
大型・巨大脳動脈瘤においては、従来の開頭手術やコイル塞栓術では、良好な治療結果が得られにくいことが知られています。
近年このような動脈瘤に対し、新たな治療機器であるフローダイバーターを用いた治療が可能となりました。
この回では、フローダイバーターの留置法について、実際の手術映像を用いて詳しく解説します。
第8回 頚動脈狭窄症
頚動脈ステント留置術は、頚動脈の高度狭窄症に対する主流の治療となっています。
他部位と異なり、治療中に血栓や血管の成分が脳に流れないよう、脳を保護しながら行う必要があります。
この回では、対側内頚動脈閉塞を伴う、比較的リスクの高い症例における、治療の工夫について紹介します。
第9回 頭蓋内動脈狭窄症
頭蓋内動脈高度狭窄症によって脳虚血発作を来した場合に、ステントを用いた血管拡張術が行われることがありますが、本治療は血圧低下や脂質低下などの積極的内科治療に対する優位性が証明されていません。
このため、内科治療抵抗例などの限定的な状況で行われていることに注意してください。
この回では、その治療の実際と注意点について解説します。
第10回 周術期管理
脳血管内治療においては、周術期の抗血栓療法が極めて重要になります。
また、腎機能低下例や造影剤アレルギーを有する症例においては、とくに注意が必要です。
この回では、脳血管内治療の周術管理について詳しく解説します。