複合型ADHD児における運動能力がADHD症状と睡眠問題に及ぼす影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/05/28 複合型注意欠如多動症(ADHD-Combined Type:ADHD-CT)の小児は、睡眠や運動に関する問題を有する割合が高いといわれている。オーストラリア・ディーキン大学のNicole Papadopoulos氏らは、小児においてADHD-CTの有無にかかわらず、運動能力がADHD症状と睡眠問題との関係を緩和するか、この緩和によりADHD診断に違いがあるかについて検討を行った。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2018年3月12日号の報告。 対象は、8~15歳の初等教育男児70例。その内訳は、ADHD-CT群38例(平均年齢:10歳2ヵ月[SD:1歳6ヵ月])、対照(典型的な発達)群32例(平均年齢:9歳6ヵ月[1歳5ヵ月])。運動能力の評価はMovement Assessment Battery for Children第2版(MABC-2)、ADHD症状の評価はConners' Parent Rating Scale(CPRS)、親より報告された睡眠問題の評価はChildren's Sleep Habits Questionnaire(CSHQ)を用いて、それぞれ測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・ADHD症状スコアが高く、運動能力スコアが低い小児において、睡眠問題がより多く報告された。 ・緩和効果は、ADHD-CT群で認められたが、対照群では認められなかった。 著者らは「本知見は、運動能力の低下したADHD症状がより重症な小児では、睡眠問題リスクが高くなる可能性があることを示唆している。睡眠介入を含むADHD-CT児の睡眠問題のリスクファクターを検討する際には、運動能力を考慮することの重要性も示唆している」としている。 ■関連記事 ADHD発症しやすい家庭の傾向 日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学 ADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Papadopoulos N, et al. Behav Sleep Med. 2018 Mar 12. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ADHD児の不注意重症度と野菜や果物など食事の質との関係 医療一般(2022/06/03) 親の年齢とADHDリスク 医療一般(2015/04/10) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)