糖尿病患者の足趾力は、糖尿病に罹患していない人よりも有意に弱いことがトヨタ自動車健康支援センターウェルポの諏訪 雅貴氏らの研究によって明らかになった。著者らは、「糖尿病の診断マーカーとしては、握力よりも足趾力が適しているだろう」としている。Endocrine Journal誌オンライン版2018年3月28日号に掲載。
以前の研究で、筋力低下は糖尿病の潜在的な予測因子の1つであるということが示唆されている。
今回の研究では、35歳から59歳までの日本人男性1,390例の足趾力と握力の測定を行い、糖尿病有病率との関連を調査した。糖尿病の定義は、空腹時血糖126mg/dL以上、糖化ヘモグロビン6.5%以上、および/または血糖降下薬を使用している場合とした。筋力測定における1標準偏差増加当たりのオッズ比および95%信頼区間は、多重ロジスティック回帰モデルを用いて算出した。
主な結果は以下のとおり。
・対象のうち、114例が糖尿病と診断された。
・糖尿病と診断された群の足趾力は、糖尿病に罹患していない患者の足趾力よりも有意に弱かったが、握力では有意な差は認められなかった。
・筋力測定における1標準偏差増加当たりのオッズ比は、足趾力 0.769(95%CI:0.614~0.963、p=0.022)、足趾力/体重 0.696(95%CI:0.545~0.889、p=0.004)、足趾力/BMI 0.690(95%CI:0.539~0.882、p=0.003)であった。握力ではこのような関連は認められなかった。
(ケアネット 生島 智樹)