ベンゾジアゼピン依存に対するラメルテオンの影響

提供元:ケアネット

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公開日:2018/07/04

 

 一般的に、ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬の減量が困難な患者では、長期間BZ系睡眠薬が処方される。ラメルテオンは、BZ受容体を介する睡眠薬とは異なる作用機序を有しており、生理的な睡眠を促す睡眠薬である。宮崎大学の長友 慶子氏らは、不眠症患者におけるラメルテオンとBZ依存について調査を行った。Asian journal of psychiatry誌オンライン版2018年6月7日号の報告。

 不眠症患者42例(平均罹病期間:11.3±9.6年)を、ラメルテオン群22例(就寝前にラメルテオン8mg/日をBZに併用)と対照群20例(BZのみを継続投与)に割り付けた。データ分析には、二元配置反復測定分散分析を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・BZ依存および離脱症状に関するアンケートで、ラメルテオン群には、0週目と比較し、16週以上でスコアの有意な改善が認められた。
・ラメルテオン群における0週目と比較した16週目の有意な改善は、ピッツバーグ睡眠質問票の抜粋版および機能の全体的評価(GAF)で観察された。
・ウィルコクソンの順位和検定では、16週目以降のラメルテオン群において、BZ系睡眠薬の併用数が有意に減少していた。対照群では、このような変化は認められなかった。

 著者らは「長期不眠症患者に対するラメルテオン併用療法は、BZ系睡眠薬の併用数を減少させることが可能である」としている。

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(鷹野 敦夫)