大学病院では、心血管疾患患者のうち17%がノンアドヒアランスとされ、1日2回以上の服薬、比較的に若年であること、就労状況がノンアドヒアランスと相関していることが、東京女子医科大学の鈴木 豪氏らの研究によって明らかになった。American Journal of Cardiovascular Drugs誌2018年8月号に掲載。
心血管疾患治療において、ノンアドヒアランスは深刻な問題である。今回の研究では、大学病院3施設の心血管疾患を患う外来患者1,372名(女性31%、平均67±12歳)を対象に自己評価質問票(Siegal scale)を用いてアンケート調査を行い、服薬アドヒアランスを前向きに検討した。ノンアドヒアランス要因のうち、「抑うつ症状」は、Patient Health Questionnaire-9のスコアが10以上の場合と定義した。
主な結果は以下のとおり。
・計227人(17%)の患者がノンアドヒアランスとされた。
・多重ロジスティック回帰分析の結果、ノンアドヒアランスは以下の要因と相関があった。
1日2回以上の服薬(OR=4.42[95%CI:3.02~6.48])
65歳未満(OR=1.70[95%CI:1.23~2.35])
就業中の人(OR=1.43[95%CI:1.03~1.99])
・抑うつはノンアドヒアランスの重要な要因ではなかった。
(ケアネット 生島 智樹)