アレクチニブによるALK陽性肺がん1次治療の第III相試験ALEXにおける、CNS病変の有効性の中間解析が、Annals of Oncology誌オンライン版2018年9月12日号で発表された。
・対象:1次治療のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)
・試験薬:アレクチニブ600mg/日、2週ごと
・対照薬:クリゾチニブ250mg/日、2週ごと
・評価項目:無増悪生存期間(PFS)、CNS病変の奏効率(CNS ORR)、CNS病変の無増悪期間(CNS TTP)
主な結果は以下のとおり。
・330例中122例がベースライン時にCNS病変(独立放射線審査委員会評価)を有しており、そのうち測定可能病変は43例。46例が放射線療法を受けていた。
・ベースラインCNS病変あり患者のPFSは、アレクチニブ群で未達、クリゾチニブ群では7.4ヵ月(HR:0.40、p<0.0001)。CNS病変なし患者のPFSは、アレクチニブ群で未達、クリゾチニブ群では14.8ヵ月(HR:0.51、p<0.0024)であり、CNS病変の有無に関わらずアレクチニブ群で有意に改善していた。
・CNS TTPは、ベースラインCNS病変なし患者においても(cause specific HR:0.18、p<0.0001)、CNS病変あり患者においても(cause specific HR:0.22、p<0.0001)と、クリゾチニブ群に比べアレクチニブ群で有意に長かった。
・放射線療法を受けた患者のCNS ORRは、アレクチニブ群85.7%、クリゾチニブ群71.4%。受けていない患者のCNS ORRは、アレクチニブ群78.6%、クリゾチニブ群40.0%であった。
1次治療のALK陽性肺がんにおいて、クリゾチニブに比べ、アレクチニブはCNS病変に優れた有効性を示すと共に、CNS病変の進行を遅らせることが示された。
(ケアネット 細田 雅之)