長期ベンゾジアゼピン使用者における認知症リスク~メタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/11/28 ベンゾジアゼピン(BDZ)と認知症リスクに関する報告には、相反するエビデンスが存在する。中国・四川大学のQian He氏らは、BDZの長期使用と認知症リスクとの関連を調査するためにメタ解析を行った。Journal of clinical neurology誌オンライン版2018年10月26日号の報告。 2017年9月までの関連文献をPubMed、Embaseデータベースよりシステマティックに検索を行った。文献検索は、BDZの長期使用と認知症リスクとの関連を分析した観察研究にフォーカスした。プールされた率比(RR)および95%信頼区間(CI)は、ランダム効果モデルを用いて評価した。結果のロバスト性は、サブグループ解析および感度分析で確認した。 主な結果は以下のとおり。 ・症例対照研究6件およびコホート研究4件、合計10件の研究が抽出された。 ・BDZ使用患者の認知症発症のプールされたRRは、1.51(95%CI:1.17~1.95、p=0.002)であった。 ・認知症リスクは、半減期の長いBDZを使用している患者(RR:1.16、95%CI:0.95~1.41、p=0.150)およびBDZを長期使用している患者(RR:1.21、95%CI:1.04~1.40、p=0.016)において高かった。 著者らは「10件の研究をまとめた本メタ解析では、高齢者におけるBDZ使用が認知症リスクを有意に増加させることを示唆している。そのリスクは、半減期20時間超のBDZを使用する患者およびBDZ使用期間が3年超の患者において高かった」としている。 ■関連記事 ベンゾジアゼピン使用に伴う認知症リスクに関するメタ解析 ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら He Q, et al. J Clin Neurol. 2018 Oct 26. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ベンゾジアゼピンの使用および中止に伴う離脱症状とその期間は 医療一般(2023/03/20) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心臓以外の大手術前のレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬使用継続は少なくとも予後や合併症に悪影響は与えない(解説:浦信行氏)(2024/11/04) 患者数が5年で5倍!心不全診療で取りこぼせない疾患とは/日本心臓病学会(2024/11/04) レトロウイルス感染症-基礎研究・治療ストラテジーの最前線-/日本血液学会(2024/11/04) せん妄で認知症リスク5倍~日本の入院患者26万例のデータ(2024/11/04) 飛行機内でインスリンポンプに軽微な影響が生じる可能性(2024/11/04) 禁煙開始が「遅すぎる」ことはない(2024/11/04) 敗血症患者の半数は2年以内に死亡する(2024/11/04) 肝細胞がんにおけるICI療法後の肝移植の転帰は良好(2024/11/04) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)