肺がんへの免疫療法後の化学療法による有効性を評価した論文が、国内で報告された。
今回、埼玉医科大学国際医療センターの塩野 文子氏らによる後ろ向き研究で、非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、抗PD-1抗体ニボルマブによる治療に病勢増悪後、ドセタキセルとラムシルマブを併用投与した場合、ニボルマブ投与なしのレジメンと比較して高い奏効率が得られた。Thoracic Cancer誌オンライン版2019年2月27日号に掲載。
本試験では、2016年2月~2017年12月に当施設でニボルマブを投与されたNSCLC患者152例から、ニボルマブ治療後にドセタキセルとラムシルマブを投与された20例について、全奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)を調査した。
患者の年齢中央値は70歳(範囲:55~77歳)で、男性12例、女性8例だった。そのうち、16例が腺がん、3例が扁平上皮がん、1例がその他であった。
主な結果は以下のとおり。
・18例(90%)に予防的なG-CSF製剤の投与が行われた。
・20例の患者のうち、12例が部分奏効(PR)を達成し、ORRは60%だった。
・6例が安定(SD)を示し、病勢コントロール率は90%だった。
・PFSは169日、OSは343日だった。
・消化器系の有害事象が19例の患者で観察された。
(ケアネット 堀間 莉穂)