双極性障害治療に対する新薬候補 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/04/17 ドラッグ・リポジショニングは、多くの医療分野において有望なアイデアである。躁病および双極性障害の発症率低下に対するアスピリン以外の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、低用量アスピリン、高用量アスピリン、スタチン、アロプリノール、アンジオテンシン系薬の継続使用の影響を調査するため、デンマーク・コペンハーゲン大学のLars Vedel Kessing氏らは、デンマークの全国人口ベースレジストリをシステマティックに使用し、検討を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2019年3月14日号の報告。 対象薬剤を購入したすべてのデンマーク人および人口の30%のランダム化サンプルを対象に、ポアソン回帰分析を用いた全国人口ベース縦断的研究を行った。フォローアップ期間は、2005~15年の10年間とし、アウトカム指標には、次の2つを含めた。(1)入院または外来患者として精神科病院受診による躁病または双極性障害の診断、(2)躁病または双極性障害の診断またはリチウム使用開始とを組み合わせた測定。 主な結果は以下のとおり。 ・2005~15年の10年間で対象薬剤のうち1剤を使用した患者は160万5,365例(年齢中央値:57歳[四分位:43、69]、女性の割合:53.1%)であった。 ・低用量アスピリン、スタチン、アンジオテンシン系薬の継続使用は、両アウトカム測定において躁病または双極性障害の発症率低下との関連が認められた。 ・アスピリン以外のNSAIDs、高用量アスピリンの継続使用は、双極性障害の発症率上昇との関連が認められた。 ・アロプリノールでは、統計学的に有意な関連性は認められなかった。 著者らは「双極性障害における炎症やストレス反応システムに作用する薬剤の可能性が支持された。また、ドラッグ・リポジショニングの可能性のある薬剤を識別するために、人口ベースのレジストリが使用可能であることが示唆された」としている。 ■関連記事 統合失調症と双極性障害の違い、脳内の炎症/ストレスに派生 双極性障害、リチウムは最良の選択か 双極性障害の補助治療オプションに関する情報のアップデート (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kessing LV, et al. Bipolar Disord. 2019 Mar 14. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性障害リスクは父親または母親の高齢化で増加~メタ解析 医療一般(2022/04/18) 日本人双極性障害外来患者の3年間の臨床アウトカムに影響を及ぼす要因~MUSUBI研究 医療一般 日本発エビデンス(2022/06/27) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 高リスク2型DM患者の降圧目標、120mmHg未満vs.140mmHg未満/NEJM(2024/11/28) 血流感染症の抗菌薬治療、7日間vs.14日間/NEJM(2024/11/28) 局所進行子宮頸がんに対するペムブロリズマブ+同時化学放射線療法が承認/MSD(2024/11/28) 多発性骨髄腫の治療継続、医師と患者の認識にギャップ/J&J(2024/11/28) 果物が大腸がんリスクを抑える~メンデルランダム化解析(2024/11/28) mavacamtenの長期使用で中隔縮小療法を回避/AHA2024(2024/11/28) 砂糖の摂取量とうつ病や不安症リスクとの関連〜メタ解析(2024/11/28) オンラインで受けるバーチャルヨガは腰痛軽減に効果的(2024/11/28) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)