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内容充実!『がん免疫療法ガイドライン』の第2版が発刊

2019年3月29日、日本臨床腫瘍学会が編集した『がん免疫療法ガイドライン第2版』が発刊。2016年に初版が発行されてから2年。非常にスピーディな改定が行われた。今回の改定では、この間に明らかとなった各疾患での治療エビデンスや副作用管理などが集約化された。
解説内が細分化され読みやすく
本ガイドラインの構成についての大幅なリニューアルはないが、各項の解説が「発症の頻度」、「臨床症状と診断」、「治療方針」に細分化されたことで、実臨床に役立てやすくなっている。免疫チェックポイント療法の副作用については、“心筋炎を含む心血管障害”が追加。また、これまで甲状腺や副腎などの副作用は、 機能障害として大きなくくりで記載されていたが、それぞれ甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症へと記述が変更されている。これに伴い、「発症の頻度」に市販後調査の報告が追加され、副作用出現時の管理方法などが充実した。同様に記述が変更した下垂体機能低下症の項には、CTCAE Grade評価の追加。これまで投与中止となっていた重症例は、Grade3、4に区分され、投与可否についても“投与休止”へと変更されている。このように、細かい変更点があるため、第2版の副作用管理について熟読されることをお薦めする。
各がん種別エビデンスについては、初版発刊時には推奨される免疫療法がなかった「胃がん」「大腸がん」「小児腫瘍」などへの推奨が加わった。肺がんは、悪性胸膜中皮腫の記載が盛り込まれたことから、「胸部悪性腫瘍」の項に収められた。そのほか、「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)を有する切除不能・転移性の固形癌」の章が追加されている。
ガイドライン作成委員長の中西 洋一氏(九州大学大学院胸部疾患研究施設教授)は、本ガイドラインの冒頭で、「非がん領域の専門家の力も借り、徐々に集積してきた知見も織り込んで、しっかりとした内容に仕上がっている」と述べている。
(ケアネット 土井 舞子)
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