FLAURA試験における日本人肺がん患者のOS事後解析/日本肺癌学会

提供元:ケアネット

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公開日:2019/12/11

 

 オシメルチニブによるEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療を評価するFLAURA試験では、全集団における、無増悪生存期間(PFS)および全生存(OS)の有意な改善(それぞれHR:0.46、p<0.001、HR:0.80、p=0.046)が報告されている。日本人患者においても主要評価項目であるPFSでオシメルチニブに良好な結果が報告されている(HR:0.61、p=0.0456)。2019年12月に開催された、第60回日本肺癌学会学術大会では、副次評価項目であるOSの探索的事後解析の結果が、四国がんセンター野上 尚之氏により報告された。

 日本人患者の無作為割り付けは、オシメルチニブ群65例、第1世代EGFR-TKI群(以下、対照群、すべてゲフィチニブ)55例であった。患者背景はほぼ同等であったが、PS0の割合、診断時Stage I/IIの患者の割合が対照群に多いなど、事後解析のため一部群間差があった。

 主な結果は以下のとおり。

・アジア人のOS中央値はオシメルチニブ群37.1ヵ月に対し、対照群35.8ヵ月であった(HR:0.995、95%CI:0.752~1.319)。
・日本人を除くアジア人のOS中央値はオシメルチニブ群34.5ヵ月に対し、対照群29.7ヵ月であった(HR:0.89、95%CI:0.64~1.24)。
・日本人患者のOS中央値はオシメルチニブ群39.3ヵ月に対し、対照群未達と、対照群で良好であった(HR:1.390、95%CI:0.8259~2.3381)。カプランマイヤー曲線は27ヵ月付近で逆転していた。
・試験治療継続中の患者はオシメルチニブ群17%、対照群5%であった。
・オシメルチニブ群で後治療を受けた患者は62%(そのうち63%が化学療法、35%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI)、対照群で後治療を受けた患者は71%(そのうち49%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、31%がオシメルチニブ)であり、オシメルチニブ群は後治療でEGFR-TKI関連レジメンの頻度が低かった。
・有害事象(AE)により投与中止となった患者の後治療をみると、オシメルチニブ群では46%が化学療法、54%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、対照群では93%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、7%がオシメルチニブであった。
・病勢進行(PD)により投与中止となった患者の後治療をみると、オシメルチニブ群では73%が化学療法、15%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、対照群では33%が化学療法、46%がオシメルチニブ、21%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKIであった。
・日本人患者での安全性プロファイルは従来の報告と一貫していた。Grade3以上のAEはオシメルチニブ群32%、対照群49%で、その頻度は全集団より高かった。

(ケアネット 細田 雅之)