オシメルチニブによるEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療を評価するFLAURA試験では、無増悪生存期間(PFS)の有意な改善(HR:0.46、p <0.001)が報告されていたが、副次評価項目である全生存(OS)データについては未達であった。このOSデータを、米国・エモリー大学のRamalingam氏が、スペインで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表した。
主な結果は以下のとおり。
・対象はオシメルチニブ群279例、対照である第1世代EGFR-TKI群277例に無作為に割り付けられた。
・オシメルチニブのOS中央値は38.6ヵ月、第1世代EGFR-TKIは31.8ヵ月で、オシメルチニブ群で有意に改善した(HR:0.799、95%CI:0.641~0.997、p=0.0462)。
・2年OS率はオシメルチニブ群74%に対し、第1世代EGFR-TKI群59%、3年OS率はそれぞれ54%と44%であった。
・3年後に1次治療として試験治療を継続していた患者の割合は、オシメルチニブ群で28%、第1世代EGFR-TKI群では9%であった。
・OSのサブグループ解析でもすべての項目でオシメルチニブが優位であった。
・アジアと非アジア人のOSを比較すると、非アジア人でより差が大きかった。
・後治療は、オシメルチニブ群では47%で実施され、そのうち68%が化学療法であった。一方、第1世代EGFR-TKI群では65%で実施され、そのうち47%がオシメルチニブであった。
・Grade3以上の有害事象はオシメルチニブ群で18%(追跡期間20.7ヵ月)、第1世代EGFR-TKI群では29%(追跡期間11.5ヵ月)であった。
(ケアネット 細田 雅之)