ラムシルマブ+エルロチニブのEGFR陽性肺がん1次治療RELAY試験~日本人サブセット/日本肺癌学会

提供元:ケアネット

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公開日:2019/12/13

 

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるVEGFとEGFRの両シグナルの阻害は、前臨床および臨床試験で抗腫瘍活性が報告されている。EGFR変異陽性NSCLCの1次治療におけるVEGF受容体2阻害薬ラムシルマブとEGFR-TKIエルロチニブ併用の有効性を検証する国際第III相試験RELAYでは、対照群であるエルロチニブ単剤治療に比べ、有意に無増悪生存期間(PFS)を延長した(19.4ヵ月対12.4ヵ月、HR:0.59、p=0.0001)。第60回日本肺癌学会学術集会では、RELAY試験の日本人サブセットの結果が九州がんセンターの瀬戸 貴司氏により報告された。

 主な結果は以下のとおり。

・日本人患者は211例で、ラムシルマブ・エルロチニブ併用群(RAM+ERL)に106例、エルロチニブ単独群(ERL)に105例、無作為に割り付けられた。
・日本人サブセットのPFS中央値は、RAM+ERL群19.4ヵ月、ERL群11.2ヵ月で、有意にRAM+ERL群が良好であった(HR:0.610、95%CI:0.431~0.864、p=0.0050)。
・日本人のL858R変異患者のPFSはRAM+ERL群19.4ヵ月、ERL群10.9ヵ月と、RAM+ERL群で良好であった(HR:0.54、95%CI:0.317~0.835)。
・日本人サブセットの全奏効率はRAM+ERL群76%、ERL群75%であった。
・日本人サブセットの奏効期間はRAM+ERL群18.0ヵ月、ERL群11.0ヵ月であった(HR:0.585)。
・日本人サブセットにおける安全性プロファイルは全集団と一貫していた。
・Grade3以上の治療関連有害事象(TEAE)発現はRAM+ERL群77%、ERL群61%であった。RAM+ERL群で頻度が高いGrade3以上のTEAEは、ざ瘡様皮膚炎(24%)、高血圧(25%)であった。

 RAM+ERLレジメンは、日本人EGFR変異陽性NSCLCの1次治療において、全集団と一貫した効果と安全性を示した。

(ケアネット 細田 雅之)