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EGFR変異陽性NSCLC、ラムシルマブ+エルロチニブでPFS延長(RELAY)/Lancet Oncol 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/11/04 EGFR遺伝子変異陽性の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)において、EGFRおよびVEGF両経路を二重ブロックする新たなレジメンが有望であることが示された。これまでに前臨床および臨床データで支持されているが、そのアプローチはまだ広くは用いられていない。近畿大学の中川 和彦氏らは、未治療のEGFR遺伝子変異陽性の転移を有するNSCLC患者を対象に、標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)エルロチニブへのラムシルマブの併用を、エルロチニブ単剤と比較する「RELAY試験」を行い、ラムシルマブ+エルロチニブ(RELAYレジメン)はプラセボ+エルロチニブと比較して無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することを報告した。安全性は、進行肺がんにおける個々の安全性プロファイルと一致していた。著者は「RELAYレジメンは、EGFR遺伝子変異陽性の転移を有するNSCLCに対して、1次治療となりうる新たな治療選択肢である」とまとめている。なお、同試験は現在、長期生存の追跡調査が進行中である。Lancet Oncology誌オンライン版2019年10月4日号掲載の報告。 RELAY試験は、13ヵ国100施設で実施された第III相の国際共同無作為化二重盲検試験。EGFRエクソン19欠失(ex19del)またはエクソン21(Leu858Arg)置換変異が認められるStageIVのNSCLCで、18歳以上(日本および台湾では20歳以上)、ECOG PSが0または1、中枢神経系への転移がない患者を対象とした。 ラムシルマブ(10mg/kg)+エルロチニブ(150mg/日)併用群またはプラセボ+エルロチニブ群に1対1の割合で無作為に割り付け、2週間隔で投与した。無作為化は、性別、地域、EGFR変異の型、およびEGFR変異検査法によって層別化した。 主要評価項目は、ITT集団における治験担当医師評価によるPFSとした。安全性は、少なくとも1回の試験薬の投与を受けたすべての患者で評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・2016年1月28日~2018年2月1日に449例が登録され、ラムシルマブ+エルロチニブ併用群(224例)、プラセボ+エルロチニブ群(225例)に無作為に割り付けられた。 ・追跡期間中央値は、20.7ヵ月であった。 ・主要解析において、PFSはラムシルマブ+エルロチニブ併用群が19.4ヵ月であり、プラセボ+エルロチニブ群の12.4ヵ月と比較して有意に延長した(層別化後ハザード比[HR]:0.59、95%CI:0.46~0.76、p<0.0001)。 ・Grade3/4の治療関連有害事象は、ラムシルマブ+エルロチニブ併用群で72%(159/221例)、プラセボ+エルロチニブ群で54%(121/225例)に発現した。 ・主なGrare3/4の治療関連有害事象は、ラムシルマブ+エルロチニブ併用群では高血圧症(52例[24%]、Grade3のみ)、ざ瘡様皮膚炎(33例[15%])、プラセボ+エルロチニブ群では、ざ瘡様皮膚炎(20例[9%])およびALT上昇(17例[8%])であった。 ・重篤な治療関連有害事象の発現率は、ラムシルマブ+エルロチニブ併用群29%(65/221例)、プラセボ+エルロチニブ群21%(47/225例)であった。 (ケアネット) 原著論文はこちら Nakagawa K, et al. Lancet Oncol. 2019 Oct 4. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 EGFR陽性NSCLCへのエルロチニブ+ラムシルマブ、東アジア人集団でも有用性示す(RELAY)/日本臨床腫瘍学会 医療一般(2019/07/29) エルロチニブ+ラムシルマブ、EGFR陽性NSCLCの新オプションに?(RELAY)/ASCO2019 医療一般(2019/06/07) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 腎移植後の抗体関連型拒絶反応、抗CD38抗体felzartamabが有望/NEJM(2024/07/18) 産後VTE予防のエノキサパリン、より高リスク例へ限定可能?/JAMA(2024/07/18) オミクロン対応2価コロナワクチン、半年後の予防効果は?/感染症学会・化学療法学会(2024/07/18) 日本における頭痛障害、片頭痛の有病率調査の正確性は(2024/07/18) 運動が化学療法による末梢神経障害の回避に有効か(2024/07/18) マルチビタミンに寿命延長効果はある?(2024/07/18) 夜勤とギャンブル利用の関係(2024/07/18) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 (2019/01/15) Dr.小松のとことん病歴ゼミ (2018/09/07) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.1(2018/07/25) Dr.長尾の胸部X線クイズ 中級編 (2018/07/07)