日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、3月11日の同連合学会のホームページ上で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」を公開(ダウンロード可能)した。
本手引きは、病院などの療資源の制限されたセッティングでの診療を想定し、理想的な感染管理と現実との間の妥協点の例を案として示すことを目的として、同連合会の予防医療・健康増進委員会の感染対策プロジェクトチームの監修で作成された。
一番身近で患者を診る医療者が知っておくべきことを網羅
すでに同じような手引きやマニュアルは、ほかの学会などからも提示されているが、本手引きでは、図表を多用し、感冒症状との鑑別や在宅療養、医療者の感染防御、血液透析施設、訪問診療、高齢者施設などでの感染防御にも触れているのが特徴。
主な手引きの内容は以下のとおり。
1.はじめに
2.新型コロナウイルス感染症は症状が長く続く
3.高齢者と基礎疾患患者の致命率が高い
4.感冒様症状への対処法をあらかじめ地域住民や患者に伝える
5.感冒様症状の患者には一定期間の在宅療養を促す
6.在宅療養における家族内感染リスクの説明
7.感冒様症状の患者からの電話相談への対応
8.感冒様症状の患者が来院した場合のトリアージと動線分離
9.診療時の感染予防策
10.診療(診察及び検査等)の実際(軽症かつ発症初期の患者への対応、感染症を疑うときなど)
11.医療機関職員の体調管理
12.血液透析施設における感染対策
13.訪問診療における感染対策
14.高齢者施設における感染対策
15.感染者の人権擁護及び風評被害対策
●参考資料及びウェブサイト
また、本手引きは「重要な情報更新があり次第、できるだけ迅速な改定を予定する」としている。
(ケアネット 稲川 進)