日本循環器学会(代表理事:小室 一成)と日本糖尿病学会(理事長:門脇 孝)は、合同で『糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント』を作成、発刊した。本ステートメントは、糖尿病と循環器病の密接な関連に鑑み、その病態、治療、予後に関する国内外の最新のエビデンスを踏襲し、双方の専門医が情報共有および相互理解のための指針、さらには両診療科間の紹介基準の提供といった幅広い臨床場面での利活用を想定している。
糖尿病の合併症を防ぐための相互理解
イントロダクションでは、糖尿病の治療の最大目的を合併症の発症予防と健康寿命の延伸とした上で「糖尿病と循環器病はその病態から予後にいたるまで極めて密接に関連することから、両診療科にまたがるクリニカルプラクティスの現状と最新のエビデンスについての相互理解を深め、それらを適切に日常臨床へ応用することが、治療目標を達成するうえで必要不可欠」と記載。また、本ステートメントが「より良質な医療を提供し、それぞれの予防・治療目標を適切に達成するための指針となることを期待する」と結んでいる。
本ステートメントの目次
1.診断
(1)糖代謝異常
(2)循環器疾患
2.予防・治療
(1)糖代謝異常者における大血管障害(冠動脈疾患・末梢動脈疾患)の予防・治療
(2)糖代謝異常者における心不全の予防・治療
(3)糖代謝異常者における心房細動の治療
3.紹介基準
(1)糖尿病専門医から循環器専門医への紹介基準
(2)循環器専門医から糖尿病専門医への紹介基準
(ケアネット 稲川 進)
『糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント』
日本循環器学会
日本糖尿病学会