15年目に突入の今シーズンは「腹痛」がテーマ!
原因がわからない!診断できない!そんな腹痛を「胃腸炎」や「便秘」とゴミ箱診断していませんか?
確かに腹部救急は難しく、診断に時間がかかります。救急を受診した腹痛患者のうちおよそ1~2割が診断不能で、さらに、そのうち2割が悪化すると言われています。
重大な腹痛を見逃さないために、いろいろな原因を想起できるようになりましょう。上巻では血管系の疾患、急性腹症、腸閉塞などを中心に、腹痛のさまざまな原因とその対処法について解説します。見つけるポイントはどこか、何をもって疑うか、そして、そのときに取るべき対応は?ピットフォール満載の爆笑症例ドラマと、Dr.林のわかりやすい講義で楽しく、しっかりと学んでください。
第1回 この腹痛!原因がわからない
救急を受診する腹痛患者のうち、診断不能なのは10~20%程度といわれています。身体診察で、腹部が柔らかいからといって、「重大な腹痛であることを除外していませんか?確かに腹膜刺激症状は重要な所見ですが、腹膜刺激症状が出ない疾患で、命に係わる疾患もあります。血管系の疾患もその1つ。見逃さないためのポイントをしっかりと学んでください。
第2回 コワい腹痛!お腹が柔らかいのに?
腹膜刺激症状は、腹痛診療の根幹をなす身体所見です。しかしながら、腹膜刺激症状が出ないコワい疾患も多数あり、それらをしっかりと頭に入れておくことが必要です。今回は、まずは、それらの疾患はどのようなものがあるのかを考え、その中でもとくにコワい「血管系疾患の腹痛」について解説します。見逃さないための診断のコツやポイント、CTをとるべきタイミングと読み方についても詳しくお教えします。
つ・ま・り、今回も楽しく学べます!
↑ この意味は番組でご確認ください!
第3回 身じろぎできない腹痛!急性腹症?
今回の腹痛のテーマは「急性腹症」、主に腹膜炎について取り上げます。急性腹症は、いかに早く診断し、治療するかの時間との勝負です。
腹痛患者のそれぞれの状態や疾患による痛がり方、腹膜刺激症状の出方、身体診察の仕方など、なぜそうなのかの理由も含めて林寛之先生がしっかりとお教えします。これであなたも急性腹症に強くなれるはず。そうすれば、1人でも多くの患者の命を救うことができます。
第4回 痛みに波がある腹痛!腸閉塞?
今回のテーマは「腸閉塞」。
腸閉塞は機械的な閉塞のことで、イレウス(麻痺性)とは異なる疾患であることをまず理解しておきましょう。
腸閉塞は術後の癒着による閉塞が最も多く、痛みが間欠的、手術歴あり、排便・排ガスがないという典型的な病歴であれば、腸閉塞を強く疑うことは難しくありません。
しかしながら、そのほかにも、ヘルニア、がんなど、さまざまな原因によって引き起こされます。それぞれのパターンの腸閉塞を想起できるよう、どのように病歴を聴取し、診察していくのか。Dr.林が詳しく、わかりやすく解説します。
身体所見であるHowship-Romberg徴候や、造影CT画像のbeak sign、Whirl signなど、診断に有用なポイントもしっかりとお見せします。