乳がん治療において術前化学療法(NAC)が増えているが、化学療法から手術までの期間(TTS)はさまざまである。今回、米国・オレゴン健康科学大学のThomas L. Sutton氏らが、術後合併症におけるTTSの影響を評価したところ、28日未満のTTSが術後創合併症の危険因子であることが示された。ただし、合併症のほとんどは軽微で、外来で治療されていた。American Journal of Surgery誌オンライン版2020年3月10日号に掲載。
本研究は2011年1月~2016年12月に自施設でNACを受けた女性を対象とした後ろ向きレビューで、術後創合併症について調査し多変量解析を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・対象の455例におけるTTS中央値は30日(範囲:11〜228)であった。
・多変量解析では、TTSが28日未満の場合、創合併症のオッズが70%高かった(p<0.05)。
・年齢の増加が創合併症との関連が最も強かった(p<0.0001)。
・創合併症の大部分(80例、83%)は外来で治療された。
(ケアネット 金沢 浩子)