乳房全摘後の即時再建術、術後合併症が再発率に影響か

乳房切除術後の即時乳房再建において、術後合併症の発症率が比較的高い。今回、韓国・成均館大学のK-T Lee氏らの研究から、術後合併症発症が即時再建後の生存と再発に悪影響を与える可能性が示唆された。British Journal of Surgery誌オンライン版2020年4月4日号に掲載。
本研究では、2008~13年に乳房全摘術と即時再建を実施した乳がん患者438例を5年以上追跡し、術後合併症の腫瘍学的転帰に及ぼす影響について多変量Cox回帰分析を用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値は82ヵ月であった。
・5年局所無再発生存率95.4%、無病生存率93.1%、全生存率98.4%だった。
・術後合併症は、120例(27.4%)で乳房に、30例(6.8%)で他部位(皮弁ドナー部)に発症した。
・乳房合併症の発症は合併症がない場合と比較して、有意に再発率が高かった(16.7% vs.5.9%、p=0.002)。
・多変量解析において、乳房合併症を発症した患者は合併症のない患者より無病生存率が有意に低く(HR:2.25、p=0.015)、術後8週間以内に術後補助療法を受けた患者においても有意なままであった(HR:2.45、p=0.034)。
(ケアネット 金沢 浩子)
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