新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の管理を改善するために、臨床転帰の早期かつ効果的な予測因子が求められている。中国・武漢亜洲心臓病医院のLitao Zhang氏らは、COVID-19患者の入院時のDダイマーが2.0μg/mL超(fourfold increase)という指標が院内死亡率の予測に効果的であり、患者管理の改善における早期かつ有用なマーカーとなる可能性を示した。Journal of Thrombosis and Haemostasis誌オンライン版4月19日号掲載の報告。
研究者らはCOVID-19患者の死亡率をDダイマーの上昇で予測できるかどうかを評価するため、2020年1月12日~ 3月15日に武漢亜洲心臓病医院へ入院していた患者の情報を用いて解析を行った。最適なカットオフ値をROC曲線で設定するため入院時のDダイマーと死亡イベントを収集し、カットオフ値から被験者を2グループに分類した。次に、Dダイマーの予測値を評価するため2グループ間の院内死亡率を比較した。
主な結果は以下のとおり。
・研究には334例が登録された。
・院内死亡率を予測するDダイマーの最適カットオフ値は2.0μg/mL、感度は92.3%、特異度は83.3%だった。
・入院時、Dダイマーが2.0μg/mL以上の患者は67例、2.0μg/mL未満の患者は267例だった。
・入院中に13例が死亡し、Dダイマーが2.0μg/mL以上の患者は、2μg/mL未満の患者より死亡率が高かった(12例/67例vs.1例/267例、p<0.001、ハザード比[HR]:51.5、95%信頼区間:12.9~206.7)。
(ケアネット 土井 舞子)