日本赤十字社は、感染が拡大する新型コロナウイルスによる感染症に対応する医療者に向けて、心の健康を保つために知っておくべきこと、やるべきことをまとめたガイドを作成し、サイトで公開している。
この「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応する職員のためのサポートガイド」では、冒頭に感染症の影響を「ウイルスによって引き起こされる疾病そのもの」(生物学的感染症)、「見えないこと、治療法が確立されていないことで生じる強い不安や恐れ」(心理的感染症)、「不安や恐怖が生み出す嫌悪・差別・偏見」(社会的感染症)に分類し、とくに医療従事者に関連する心理的感染症と社会的感染症に対するケアが重要とする。
さらに「COVID-19対応者のメンタルヘルスの特殊性」を「避けられない不安」「得られにくい承認」「孤独感や孤立感」「立たない見通し」とし、こうした困難な状況で働く職員がこころの健康を維持するために必要な4要素として「職務遂行基盤(スキル、知識、安全)」「個人のセルフケア」「家族や同僚からのサポート」「組織からのサポート」を挙げている。そして、4要素と本人・家族・上司・管理者の立場を掛け合わせたうえで、具体的にすべきことを紹介している。
添付資料として、ストレス度の把握に使う「COVID-19対応者のためのストレスチェックリスト」や、自宅待機や隔離中の一般患者に向けた「感染症流行期にこころの健康を保つために」というハンドブックも用意され、ダウンロード可能となっている。
日本赤十字社/新型コロナウイルス感染症対応に従事されている方のこころの健康を維持するために
(ケアネット 杉崎 真名)