オリゴ転移乳がんの生存延長に最善の治療を検討

中国・Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical College のBo Lan氏らの研究から、頭蓋外オリゴ転移乳がんの予後は比較的良好であり、転移病変の外科的切除が無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を大きく改善する可能性が示された。International Journal of Cancer誌オンライン版2020年6月14日号に掲載。
本研究では、頭蓋外オリゴ転移の臨床的特徴と予後因子および最善の治療方法を特定することを目的に、2009~14年、中国・National Cancer Centerで頭蓋外オリゴ転移乳がんと診断された術後入院患者50例を対象に調査した。オリゴ転移乳がんは、転移病変が3個以下で1つの臓器に限局している転移乳がんと定義し、de novo StageIVと局所再発は除外した。
主な結果は以下のとおり。
・PFS中央値は15.2ヵ月、OS中央値は78.9ヵ月、2年PFS率は40%、5年OS率は58%であった。
・標準全身治療+転移病変すべての外科的切除による1次治療が、PFS延長(ハザード比[HR]:0.32、95%信頼区間[CI]:0.14~0.73、p=0.006)およびOS延長(HR:0.35、95%CI:0.14~0.86、p=0.022)の独立した予後因子であった。
・サブグループ解析により、無病期間が24ヵ月以上、転移病変が1つのみ、ホルモン受容体陽性の症例で切除が有用な可能性が高いことが示された。
(ケアネット 金沢 浩子)
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