週1回のインスリンの有効性・安全性/ノボ ノルディスク ファーマ

提供元:ケアネット

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公開日:2020/07/01

 

 ノボ ノルディスク ファーマは、週1回投与のinsulin icodecの第II相試験で1日1回投与のインスリン グラルギンU100と同程度の有効性および安全性を示したことを6月19日にリリースするとともに、第80回米国糖尿病学会で発表した。

 本試験は、DPP-4阻害薬の併用または非併用下でメトホルミンによって十分にコントロールされていないインスリン治療歴のない成人2型糖尿病患者247名を対象とした、26週間、無作為割り付け、二重盲検、ダブルダミー、treat-to-target、第II相臨床試験。
*本製剤および効能・効果は日本を含めて現在開発中であり未承認の製剤

basalインスリンの注射回数が週1回になる

 主要評価項目である血糖コントロール(HbA1c)のベースラインから投与後26週までの変化量は、insulin icodec週1回投与群とインスリン グラルギンU100の1日1回投与群で同程度(それぞれ-1.33%および-1.15%、p=0.08)だった。また、副次評価項目であるベースラインから投与後26週までの空腹時血糖値(FPG)の変化量は、insulin icodecおよびインスリン グラルギンU100で同程度(それぞれ-58mg/dLおよび-54mg/dL)、ベースラインから投与後26週までの9点測定血糖値プロファイル(血糖自己測定による)の平均値の変化量は、insulin icodecでより大きかった(-7.9mg/dL、p=0.01)ことが示された。

 安全性に関し低血糖は、両投与群で同程度だった(レベル2の低血糖[血糖値<54mg/dL]およびレベル3の低血糖[重大な低血糖]の単位時間あたりの発現件数は、insulin icodecおよびインスリン グラルギンU100でそれぞれ52.5件/100人・年および45.6件/100人・年)。また、週1回のinsulin icodec投与に関連のある新たな安全性の問題は認められず、有害事象を発現した患者の割合はinsulin icodec群とインスリングラルギンU100群で同程度だった。

 同社では「2型糖尿病患者に対し、とりわけbasalインスリンの注射回数を週1回に減らすという新たな選択肢を提供することができる可能性を示した」とコメントしている。2020年後半に週1回投与のinsulin icodecの第III相臨床開発プログラムを開始する予定。

insulin icodecについて

 insulin icodecは、現在開発中の半減期196時間の作用が長時間持続するbasalインスリンアナログ。投与後、insulin icodecは強力かつ可逆的にアルブミンと結合し、その結果、持続的でゆっくりと着実な血糖降下作用が1週間にわたってもたらされる。濃度の高い製剤であるため、週1回投与のinsulin icodecの注射液量は1日分のインスリン グラルギンU100と同等。

(ケアネット 稲川 進)