フレイルの健診に有用なテキスト公開/国立長寿医療研究センター 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2020/07/01 2020年6月、健康長寿教室テキスト第2版が国立長寿医療研究センターの老年学・社会科学研究センターのホームページ上に公開された。これは同施設のフレイル予防医学研究室(室長:佐竹 昭介氏)が手がけたもので、2014年に初版が発刊、6年ぶりの改訂となる。 健康長寿教室テキストは介護予防に役立てるためのパンフレットで、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)に関する基本的概念に加え、実践編として「お口の体操」「運動」「フレイルや低栄養を予防するための食事の工夫やレシピ」などが掲載されている。このほかにも、最新の話題として、新型コロナなどによる外出制限時の対策にも応用できる内容が紹介されている。なお、健康長寿教室テキストは無料でダウンロードして使えるため、後期高齢者健康診査(いわゆるフレイルの健診)、スタッフ研修、敬老会の資料としても有用である。 健康長寿教室テキストの改訂にあたり荒井 秀典氏(国立長寿医療研究センター理事長)は、「当センターのみならず、国内外で明らかになった成果を取り入れ、お口の健康に関する内容を充実するとともに、よりわかりやすく健康的な食事のレシピや最新版の運動プログラムを含めた内容に一新した。高齢者では多くの病気を合併することが多いが、病気の適切な診断と治療を行うことはもとより、加齢とともに心身が衰えてくる『フレイル』の予防を行うことで、真の健康寿命の延伸をめざした全人的医療を行っている。病気の治療はどの医療機関でもできるが、本テキストに載っているようなフレイル予防を実践しているところはまだまだ少ないのが現状」とし、また、「新型コロナウイルス感染症の影響で外出を控えるようになり、地域での活動も制限され、『生活不活発』による身体機能の低下も懸念されている。本テキストをさまざまな現場で活用することにより、フレイルにならずにいつまでも元気で長生きしていただけることを祈念している」と述べている。 <健康長寿教室テキスト目次> ◆知識向上編 第1章 健康寿命とフレイル 第2章 フレイルに関連する状態 ◆実践編 第3章 フレイルを予防するお口のお手入れ 第4章 フレイルを予防する栄養 第5章 フレイルを予防する運動 第6章 フレイルを予防する生活 第7章 老いと上手に付き合うために (ケアネット 土井 舞子) 参考文献・参考サイトはこちら 国立長寿医療研究センター:フレイル予防医学研究室 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 フレイルってなに?―栄養不足や偏りに気をつけて―【フレイル予防のための食事スライド】第1回 フレイル予防のための食事スライド(2020/05/26) タンパク質の目安量、高齢者が不足する理由【フレイル予防のための食事スライド】第2回 フレイル予防のための食事スライド(2020/06/16) フレイル施策を掲げる、国の本当の狙いとは/日本医師会 医療一般(2020/01/24) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] タクシーと救急車の運転手、アルツハイマー病による死亡率低い/BMJ(2024/12/27) 低リスクDCIS、積極的モニタリングvs.標準治療/JAMA(2024/12/27) アルツハイマー型認知症になりたくなければタクシーか救急車の運転手になろう?(解説:岡村毅氏)(2024/12/27) 診療所のマイナ保険証利用率は10%未満の施設が約7割/日医(2024/12/27) 抗精神病薬の多剤併用は50年間でどのように変化したのか(2024/12/27) 心房細動の早期発見、早期介入で重症化を防ぐ/日本心臓財団(2024/12/27) 食品中の果糖はがんの進行を促進する?(2024/12/27) 明晰な頭脳の維持には骨格筋量の維持が重要(2024/12/27) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答16<上巻> 肺炎編(2021/01/10) Dr.水谷の妊娠・授乳中の処方コンサルト(2020/10/10) 心不全特集まとめインデックス(2020/10/01) 腎性貧血特集まとめインデックス(2020/09/30) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【糖尿病・内分泌疾患編】(2020/09/10) Dr.安部の皮膚科クイズ 中級編(2020/08/10)