緑茶・コーヒー・アルコールと乳がんリスク~日本人女性

提供元:ケアネット

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公開日:2020/07/03

 

 日本の全国多施設前向きコホート研究であるJapan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk(JACC)Studyにおいて、緑茶・コーヒー・アルコールと乳がんリスクの関連を調べた結果、アルコール摂取と乳がんリスク増加との関連がみられた一方、乳がんリスクとの関連の結論が出ていない緑茶やコーヒーについては関連がみられなかった。Asian Pacific Journal of Cancer Prevention誌2020年6月1日号に掲載。

 本研究の対象は、JACC Studyにおける国内24地域の40〜79歳の日本人女性3万3,396人。20年以上の追跡期間中に乳がんが255例に発症した。乳がんリスクと緑茶、コーヒー、アルコールの摂取の間の独立した関連性を評価するために、多変量ロジスティック回帰分析を行った。緑茶とコーヒーについては、毎日摂取しない人を基準として、毎日摂取する人のオッズ比(OR)を算出した。アルコール摂取については、摂取しない人を基準として、週当たりの摂取頻度(1回未満、1~2回、3~4回、毎日)およびアルコールの種類(日本酒、ビール、ワイン、ウイスキー)別のORを算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・最も多く摂取されていたのは緑茶(参加者の81.6%)で、次いでコーヒー(34.7%)、アルコール(23.6%)であった。
・緑茶(OR:1.15、95%信頼区間[CI]:0.82~1.60)およびコーヒー(OR:0.84、95%CI:0.64~1.10)の摂取量と乳がんリスクの間に有意な関連はみられなかった。
・アルコール摂取は、乳がんリスクが有意に増加し(OR:1.46、95%CI:1.11~1.92)、週1回以下の飲酒でも乳がんリスクが増加した(OR:2.07、95%CI:1.39~3.09)。
・アルコールの種類別では、日本酒とビールでは有意な増加はみられなかった。ワイン(OR:1.79、95%CI:0.99~3.23)とウイスキー(OR:1.68、95%CI:0.91~3.08)ではORが高かったが、統計学的に有意ではなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)