転勤や開業の可能性など、キャリアプランによって大きく左右される医師の住まい選び。20代から70代以上まで、各世代の医師たちはどんな選択をして、どれくらいの費用を住宅にかけているのか。CareNet.comの会員医師1,000人に、その実情を聞いた。
約半数が賃貸住まい、購入者は約6割が30代で購入
住宅の購入歴あり、と答えたのは1,000人中519人(51.9%)。総務省「住宅・土地統計調査」によると、2018年の日本全国での持ち家率は61.2%
1)。転勤が多いなどの医師という職業の特性が影響しているのかもしれない。購入した年代別にみると、最も多かったのが30代で312人(60.1%)、40代が165人(31.8%)と続き、30~40代での購入者が9割以上を占めた。
購入した物件の形態については、戸建が63.3%を占め、マンション(36.7%)を上回った。東京都(戸建58.0% vs.マンション42.0%)、大阪府(51.9% vs.48.1%)などの都市圏でも戸建購入者が多い傾向がみられた。
一方で、購入歴なしと答えたのは481人(48.1%)。うち、約半数の252人(52.4%)が購入希望ありと回答し、229人(47.6%)が購入希望なしと回答した。全体でみると、約1/4の医師が購入希望なしと回答した形となる。
毎月の住宅費、最も多かった回答は10万円未満
毎月の住宅費(賃貸の場合は家賃、購入の場合は主にローン返済費[マンションの場合は管理費や修繕積立金などとの合計])について聞いた結果、最も多かったのは「10万円未満」という回答。次いで「なし」が22.0%、「10~14万円」が20.6%、「15~19万円」が16.3%と続いた。
年代別にみると各年代で傾向は大きく異なり、20代では「10万円未満」が55.0%を占めたが、30代では29.2%となり、「10~14万円」が26.9%、「15~19万円」が20.0%となっている。40代では「10万円未満」は16.9%とさらに減り、「10~14万円」が26.4%、「15~19万円」が24.2%、「20~29万円」が13.4%。50代からは「なし」と答えた割合が年代が高くなるにつれ上昇し、50代で31.3%、60代で50.0%、70代以上では73.7%を占めた。
地域別にみると、東京都、大阪府でとくに金額帯が高い傾向がみられ、6割以上が10万円以上と回答した。東京都では「15~19万円」および「20~29万円」が21.8%ずつと最も多く、大阪府では「10~14万円」および「15~19万円」が23.2%ずつと最も多くを占めた。一方、北海道・東北6県および四国4県では、10万円以上と回答した人は3~4割に留まった。
購入時の物件価格の価格帯、頭金の金額帯は?
住宅の購入歴あり、と答えた人に物件の価格帯について聞いた結果、「3,000~4,000万円台」が30.8%、「5,000~6,000万円台」が30.2%と多くを占めた。次いで、「7,000~9,000万円台」が20.7%、「3,000万円未満」が10.4%と続く。地域別にみると、東京都の価格帯が突出して高く、「5,000万円未満」との回答は18%に留まり、「7,000~9,000万円台」との回答が最も多く、36.0%を占めた。
購入時の頭金については、「一括払い」と回答した人が10.6%だったのに対し、「頭金なし」と回答した人も14.3%であった。最も多かったのは「100~999万円」で27.8%、次いで「1,000~1,999万円」が23.4%で、約半数が100~2,000万円の頭金を用意していた。
アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
賃貸か購入か、医師の最新住宅事情
(ケアネット 遊佐なつみ)