FLT3-ITD変異陽性急性骨髄性白血病(AML)患者における、同種造血幹細胞移植後のソラフェニブ維持療法について中国で行われた第III相試験の結果が示された。これまでに、移植後ソラフェニブ維持療法が再発を減少することは、後ろ向き研究で示されている。今回、中国・南方医科大学のLi Xuan氏らは、中国国内7施設にて無作為化非盲検試験を行い、移植後のソラフェニブ維持療法は再発を減少させ、忍容性は良好であることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「この戦略は、FLT3-ITD変異陽性AML患者の適切な治療選択肢となりうるだろう」とまとめている。Lancet Oncology誌2020年9月号掲載の報告。
試験は2015年6月20日~2018年7月21日に、中国国内7病院で行われた。対象は、同種造血幹細胞移植を受け移植前後に複合完全寛解が得られ、移植後60日以内に造血機能が回復した、ECOG PSが0~2、18~60歳のFLT3-ITD変異陽性AML患者202例。
患者を無作為に2群に割り付け、ソラフェニブ維持療法(400mgを1日2回経口投与)群(100例)と非維持療法(対照)群(102例)を移植後30~60日目に行った。
主要評価項目は、intention-to-treat集団における1年累積再発率であった。
主な結果は以下のとおり。
・移植後の追跡期間中央値は、21.3ヵ月であった。
・1年累積再発率は、ソラフェニブ維持療法群7.0%、対照群24.5%であった(HR:0.25、95%CI:0.11~0.57、p=0.0010)。
・移植後210日以内の主なGrade3/4の有害事象は、感染症(ソラフェニブ維持療法群25% vs.対照群24%)、急性移植片対宿主病(GVHD)(23% vs.21%)、慢性GVHD(18% vs.17%)および血液毒性(15% vs.7%)であった。
・治療に関連した死亡は報告されなかった。
(ケアネット)