マスクを着用することで不安は解消されるが、リスク軽減の期待には影響しないことが、同志社大学の中谷内 一也氏らが行った日本人対象の研究によって明らかとなった。Frontiers in Psychology誌2020年8月4日号の報告。
COVID-19に対するマスクの着用は、着用者の感染を防ぐことではなく、ほかの人への感染を防ぐことでパンデミックの蔓延を抑える。日本ではパンデミックの初期段階からマスクを着用する習慣が広まり、マスクの供給不足を引き起こした。なぜ日本では他国と比較しても、COVID-19パンデミックでマスクを着用する人が多いのか、マスクを着用する6つの考えられる心理的理由を基に調査した。
全国調査の結果については以下のとおりである。
・マスクを着用することで社会の規範に準拠し、不安が解消された。
・リスク軽減の期待に、マスクの着用は影響しなかった。
著者らは、「COVID-19パンデミックと闘うためには、マスク着用の社会的動機を考慮して戦略を検討すべきである」と示唆している。
(ケアネット 高津 優人)