肺癌診療ガイドラインが改訂され、2020年版が発刊された。第61回日本肺癌学会学術集会の教育講演では、薬物療法領域の変更点について岡山大学の堀田勝幸氏が発表した。
肺癌診療ガイドライン2020の主な変更点
EGFR変異陽性
一次治療におけるゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドの追加(CQ52 2A)、エルロチニブと血管新生阻害薬の併用がアップデート(CQ52 2A)されるなど改訂された。
ALK融合遺伝子陽性
二次治療において、アレクチニブの使用のアップデート(CQ59 1C)、新たなALK-TKIブリガチニブが追加(CQ59 2C)されるなど改訂された。
MET遺伝子変異陽性
MET遺伝子変異陽性が新設され、MET-TKI(テポチニブ、カプマチニブ)の推奨が追加された(CQ62 1C)。
ROS1融合遺伝子陽性
エヌトレクチニブ使用の推奨が追加された(CQ60 1C)
ドライバー遺伝子変異/転座陰性もしくは不明
一次治療におけるニボルマブ+イピリムマブ併用がPD-L1 TPS50%以上(CQ64 2C)、1~49%(CQ70 2C)に追加された。
小細胞肺癌
進展型小細胞肺癌においてのプラチナ製剤併用療法へのPD-L1阻害薬の上乗せについて、プラチナ製剤併用療法+PD-L1阻害薬の使用が推奨された(CQ11 1A)。
(ケアネット 細田 雅之)