高齢者では1日の歩数が睡眠効率と正の相関―大分大学

提供元:ケアネット

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公開日:2021/01/18

 

 高齢化社会において加齢に伴う運動不足と睡眠障害は大きな問題である。身体活動が睡眠の質に関連しているというエビデンスが出ているが、歩数と睡眠の関連については明らかになっていない。大分大学医学部神経内科の木村 成志氏らは、大分県臼杵市に居住する65歳以上の855例を対象に、毎日の歩数と睡眠の関連を調査した。

 2015年8月~2016年3月までに855例が登録され、参加者は期間中3ヵ月ごとに平均7~8日のあいだ腕時計型センサーによって歩数を測定し、重回帰分析で1日の歩数と睡眠(総睡眠時間、睡眠効率、中途覚醒時間[WASO]、中途覚醒回数、昼寝時間)との関連を調べた。

 参加者の年齢中央値は73歳(四分位範囲[IQR]:69~78歳)、男性317例(37.1%)、女性538例(62.9%)。教育レベルは12(IQR:11~12)年で、ミニメンタルステート検査(MMSE)スコアは29(IQR:27~30)ポイントだった。

 主な結果は以下のとおり。

・毎日の歩数は、睡眠時間と相関はなかった。
・毎日の歩数は、睡眠効率と正の相関を示した。
・毎日の歩数は、WASO、中途覚醒回数、昼寝時間と逆相関を示した。

 これらの結果を踏まえ、著者らは「ウォーキングは高齢者にも安全性の高い運動であり、歩行に焦点を当てた運動プログラムの推進は、高齢者の睡眠障害の予防として適切なアプローチといえる」としている。

(ケアネット 杉崎 真名)